内蒙古  四子王旗

ナダーム

7〜8月、内モンゴルの各地で「ナダーム」というお祭が開催される。
我々農耕民族は豊年満作・五穀豊穣とかいいますが、遊牧民族の人たちはどう表現するのでしょうね。豊年青草とか羊肉豊肥とかいうのでしょうか?
村祭りのようなものなんですが、隣近所がえらい離れている。何十キロも離れたご近所のみなさん集まって盛大に開催されます。

会場は飾りつけも終わり、開会を今かと待ちます。近くには臨時の「パオ」がずらりと並んでいます。今夜の私たちの宿舎です。
今回は、中国の雑誌「人民中国」の東京支店長と一緒に来ました。だから結構顔パスが通ります。
そして、私を日本の特派員ということにしてくれまして、腕には「報道」と書かれた腕章をつけさせてくれました。
突然、大会役員さんが私のところへ名刺をもって挨拶にこられまして、恐縮・恐縮。
会場では、「モンゴル相撲大会」もあります。私の今日のポロシャツは、日本・国技館で仕入れた「相撲ポロシャツ」、どうだ!(でも、最近はこちらが横綱や)

「報道」という腕章はなかなかいいもんだ。こんな会場の内まで堂々と入れる。
用意された祭壇です。神に捧げられる羊です。司祭者というか日本流にいえば神主さん、香を焚きます。

いよいよ入場行進です。まあ、小学校の運動会のようなものです。大人も子どももいますが。

大会宣言です。本物の地元の報道が来ています。私は日本からわざわざ来ました報道特派員ではありますが・・・。
塩が撒かれます。酒が撒かれます。清めの塩・酒、風習は日本と同じですよね。

子どもたちの力強い演技、おねえさん・おにいさんのフォークダンス、たくましい青年の相撲演技などなど延々と続きます。

相撲大会が始まったのですが、土俵がないし、ふんどししてへんし、格闘技なのでしょう。
肩には、遠山の金さんみたいな、刺青みたいな衣装を着けています。

競馬が行われています。これはお得意芸でしょう。馬上の若者たちが疾風駆け抜けます。

お昼ごはんです。

メインディシュは「羊肉のお頭付き」!主客がナイフで切り取ってみなさんに配れという。鉛筆削りのようなカッターで恐る恐る切り刻む。目の周りが美味いという。鯛の目の周りは美味しいが羊もですか?こんなお頭付きかなわんわ!

今夜の宿泊施設「パオ」です。長い棒とフェルト布とロープでうまく出来ています。
子どもたちが遊びに来てくれました。

草原の夜明け、空と地を分ける1本の水平線から太陽が昇ります。遠くに馬が草を食んでいます。

本物のパオを訪ねました。半定住で、草原に緑豊かな季節はここに住みます。風力による自家発電(写真中)、地下貯蔵庫です。(写真右)


草原と羊飼い

遠くに羊の群れを追う羊飼いを見つけました。駆け寄って写真を撮らせてとお願いしました。お礼にタバコを差し出すと、彼もタバコを差し出します。こちらの礼儀なのでしょうか。それぞれの1本を吸ったのです。
手に持つ鞭に興味があるといいますと、彼はそれを私の手に持たし、その扱い方を教えてくれました。
その鞭で羊を追っていたら、いつのまにか遠くに来てしまって、地平線には羊と私たち二人しかいません。ちょっと不安になりましたが、ずっと彼と羊を追い続けました。
夕刻が迫り、彼は10頭余の羊の別組を編成しまして、その群れだけを動かし始めました。

この群れが今日市場に出荷される群れだったのです。

搬送車の待ち受けるところまで羊を追い込みます。それを知ってか羊は悲しく鳴きだしました。ちょっと可哀想と思いましたが、昨日も今日も食事でいただいたものなんですよね。
「よく働いた!」と彼等は私にビールをおごってくれました。アルバイト賃でしょう。ゴチになりました。そして、この車に乗せてくれて、宿舎のパオまで送ってくれたのです。小さな冒険と羊飼い経験の半日でした。


オボー

羊を追っている途中に、オボーといわれる石積みした造物に出会いました。道祖神が宿るところといいます。そしてこれが遊牧民にとっては道しるべとなるのだそうです。
日本でいう一里塚のようなものでしょう。

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