桂林

桂林の朝

桂林の通勤風景、中国各地の朝を見てきたが、自転車に代ってバイクや車が増えた。
朝食風景はやはり中国風だ。街頭に屋台がでる。蒸した米に何やら具を混ぜておにぎりのようなものを袋に詰めている。家族連れや若いOLのような女性が買い求める。老婆が野菜を売っている。近くの食堂では、テーブルを囲んで朝粥であろう食事をとっている。朝は外食が多いのかな。

漓江を下る

漓江下り、竹江から陽朔までの45`を4時間あまり船で下る。
神々の造形した大自然の織りなす景観をゆっくりと味わいたい。屹立する山々、それを縫うように流れる漓江。時折水面を飛び立つ水鳥たち、水浴びをする水牛、竹でつくられた舟で悠々と釣竿を垂れる漁師。

ここまで約2時間半、中国風に表現すると、「似一条青羅帯」、河は青羅の帯のように延々と奇峰の間を流れる。奇峰は水面に影を映し、古今多くの文人墨客を魅了した。唐の詩人韓愈は漓江の美しさを「川は青羅の帯をなし、山は碧玉の簪のごとし(江作青羅帯 山如碧玉簪)」と賛美している。  簪(かんざし)

船内では昼食の準備が出来ていた。?酒(ビール)と唐揚げ、美味。


小海老の唐揚げ

鳥の唐揚げ

蟹の唐揚げ

湯葉

4時間余の船旅は終る。陽朔に到着、先ほどまでの景観を満喫した静寂は一転し、観光化された土産売りの喧騒にうんざりさせられる。日本人客が多いのであろう、「シェンエン(千円)」「シェンエン」の呼び込みは執拗に続く。
鵜を二匹竹竿に乗せた老人がいる。本来は漓江で漁師をしているのだろうが、写真撮影一回10元という。他所でもこのようなことは多い。例えば民俗衣装を着た少数民族の女の子は、傍に寄って10元という。

ビーフン料理

桂林のビーフン料理は美味しい。でも日本のビーフンとは違う。まるで名古屋のきしめんのような形と太さだ。


漓泉?酒

ビーフン煮込み

ビーフン炒め

畳彩山

山腹には、一年中清風が吹き抜けるという風洞がある。その周りには磨崖仏や碑文が並ぶ。仏の顔は、皆が祈願のため撫でるのでピカピカに光る。
山頂からは、桂林市内が一望できる。中心部を漓江が流れる。
秋には全山、桂林の名のごとく、桂花(キンモクセイ)の香りに包まれるという。

桂林  李商隠

  城窄山将壓     城は(せま)くして(やま)(まさ)(あつ)せんとし
  江ェ地共浮     江は(ひろ)くして地共に浮ぶ
  東南通絶域     東南 (ぜつ)(いき)に通じ
  西北有高樓     西北に (こう)(ろう)あり
  神護楓岸     神は(まも)(せい)(ふう)の岸
  龍移白石湫     龍は移る 白石の(いけ)
  殊郷竟何?     (しゅ)(きょう) (はた)して何をか?(いの)
  簫鼓不曾休
     (しょう)() ()つて()まず

蘆笛岩

鍾乳洞であるが、洞内の鍾乳石、石筍、石柱は彩られた光線で異様な表現をする。中国らしい演出である。
日本の秋吉台はこんな風には見せない。中国人の美的感覚と、侘び寂びを好む日本人との差である。

象鼻山

漓江に張り出した山容が、象が鼻をのばして水を飲む姿に見えるという。
川岸では船上レストランが浮ぶ。竹を数本組み合せた舟だ。メニューは焼鳥らしいが、食指は動かない。

七星公園

パンダが見られるというので、七星公園に来た。
冷暖房付きのガラスの檻に入ったパンダを、汗をふきふき拝見させていただいた。あきれて写真撮るのを忘れた。

桂林の旅を終る。
雄大な自然という印象を持ちつつも、観光化されてちょっと貪欲な一面を垣間見てしまうと、訪ねるわれわれ日本人も反省が求められるが、中国のみなさんはもっと爽やかな観光事業を育ててほしいと思う。
京都や奈良では決してあのような光景は目にしない。 (結)

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