春日神社

大津市大石富川町

重要文化財 春日神社本殿

久寿元年(1154)二条蔵人助藤原重友が奈良春日社の分霊を勧請したと伝えられ、祭神は建御雷神ほか三神を祀る。

現在の本殿は、棟木に「文保三年二月十八日奉造之御殿事・・・」(1319)とあり、鎌倉時代後期の作風を示す。

形式は、二間社に向拝を付け、屋根入母屋造の桧皮葺。

後世の改造が少なく、各部の彫刻も優秀で、特に柱間の中央に飾られた蟇股の輪郭線は美しい。

二間社で入母屋造の形式は全国的にも類別が少なく貴重な本殿である。

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此地は大石より甲賀伊賀に通ずる間道に当るを以て古へより交通の人跡多し。寿永承久より建武以後の戦乱には軍士の往返も

繁かりし。応仁元年京都の乱を避けし足利義視は、八月二十三日京を出で二十四日坂本より山田港に着し、夫より勢多川を下り、

黒津に上陸し伊勢に遁れし時此地を通り、其夜当社に宿陣して翌日信楽の野尻に出で、伊賀を経て二十九日伊勢に着したり、

と、『應仁廣記』に見ゆ。

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村の鎮守さま 大津 春日神社

万葉集を携えて

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