三輪神社

滋賀県栗東市大橋

葉山村大字大橋に鎮座す、祭神大己貴命なり。

社伝によれば、天平十六年良弁僧正大和国三諸山より分祀し、大橋寺の鎮守として崇敬せし所なりといふ。

当社は古へより白蛇の神使あり事変ある毎に前兆なりとて里人は其出現を怖る。

又当社の祭式正月十七日弓の神事を行ひ、五月十日の大祭には鰌鮨を献供する古例あり。

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鰌鮨の神供の順序  どじょう

当社に古来の例祭に鰌鮨を神供とする例あり。其記録により概況を記せんに、

毎年九月中の日を卜して中ノ井川の当大字区域を流るる部分にて凡そ二町間の川を堰き止め、一定の時間中に水をかい出し、

河中の鰌と鯰を限り漁獲し、漁獲せし鯰鰌を春来清浄の田にて作りし早稲を手搗に為せし初穂米の飯に混和し、蓼葉と藍とを加へ

久しきに耐ゆる方法にて鮨となし、容器の外部を新藁の薦にて上巻し、注連縄を張り、翌年五月の祭日まで厳封の儘に監守す。

其は鰌十六貫目鯰十四五貫目を米四斗の飯に混ずるものなり。而して翌年五月の祭礼前三日、当番の家には門口に七五三縄を

張り、他火を忌み斎浴して鮨の口開を為し、祭日には鮨を大皿に盛り神前に供し、撤饌の後氏子中に配分す、今も変ることなし、

奇祭と謂ふ可し。

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村の鎮守さま 三輪神社

万葉集を携えて

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