巻六 907〜970

萬葉集 巻第六
(ざふ)()

養老七年癸亥(みづのとゐ)の夏の五月に、吉野の離宮(とつみや)(いでま)す時に、笠朝臣(かさのあそみかなむら)が作る歌一首 并せて短歌
907 滝の(うへ)の 三船(みふね)の山に 瑞枝(みづえ)さし (しじ)()ひたる (とが)の木の いや()ぎ継ぎに 万代(よろづよ)に かくし知らさむ み吉野の 秋津(あきづ)の宮は 神からか (たふと)くあるらむ 国からか ()()しからむ 山川を 清みさやけみ うべし神代(かむよ)ゆ 定めけらしも

反歌二首
908 年のはに かくも見てしか み吉野の 清き河内(かふち)の たぎつ白波(しらなみ)   故地
909 山高み 白木綿花(しらゆふばな)に 落ちたぎつ 滝の河内(かふち)は 見れど()かぬかも

或本の反歌に曰はく
910 (かむ)からか ()()しからむ み吉野の 滝の河内(かふち)は 見れど()かぬかも
911 み吉野の (あき)()の川の 万代(よろづよ)に 絶ゆることなく またかへり見む
912 (はつ)()()の 造る木綿花(ゆふばな) み吉野の 滝の(みな)()に 咲きにけらずや

車持朝臣千年(くるまもちのあそみちとせ)が作る歌一首 并せて短歌
913 (うま)()り あやにともしく 鳴る神の (おと)のみ聞きし み吉野の 真木(まき)立つ山ゆ ()()ろせば 川の瀬ごとに 明け()れば 朝霧立ち (ゆふ)されば かはづ鳴くなへ (ひも)()かぬ 旅にしあれば 我のみして 清き川原(かはら)を 見らくし()しも

反歌一首
914 滝の(うへ)の 三船(みふね)の山は (かしこ)けど 思ひ忘るる 時も日もなし

或本の反歌に曰はく
915 千鳥鳴く み吉野川の (かは)(おと)の やむ時なしに 思ほゆる君
916 あかねさす ()(なら)べなくに 我が恋は 吉野の川の (きり)に立ちつつ   

右は、年月(つばひ)らかにあらず。ただし、歌の(たぐひ)をもちてこの(つぎて)()す。或本には「養老七年の五月に、吉野の離宮(とつみや)(いでま)す時の作」といふ。

(じん)()元年甲子(きのえね)の冬の十月の五日に、紀伊()の国に(いでま)す時に、山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)が作る歌一首 (あは)せて短歌   故地
917 やすみしし ()(おほ)(きみ)の (とこ)(みや)と (つか)(まつ)れる 雑賀(さひか)()ゆ そがひに見ゆる 沖つ島 清き(なぎさ)に 風吹けば 白波(さわ)き 潮()れば (たま)()刈りつつ (かむ)()より しかぞ(たふと)き (たま)()(しま)

()反歌二首
918 沖つ島 荒磯(ありそ)(たま)() (しほ)()満ち い(かく)りゆかば 思ほえむかも
919 (わか)(うら)に (しほ)満ち()れば (かた)をなみ (あし)()をさして (たづ)鳴き渡る   

右は、年月を(しる)さず。ただし、「玉津島に従駕(おほみとも)す」といふ。よりて今行幸の年月を(ただ)(しる)して()す。

(じん)()二年(きのと)(うし)の夏の五月に、吉野の離宮(とつみや)(いでま)す時に、笠朝臣金村(かさのあそみかなむら)が作る歌一首 (あは)せて短歌
920 あしひきの み山もさやに 落ちたぎつ 吉野の川の 川の瀬の 清きを見れば (かみ)()には 千鳥(ちどり)しば鳴く (しも)()には かはづ妻呼ぶ ももしきの 大宮(おほみや)(ひと)も をちこちに (しじ)にしあれば ()るごとに あやにともしみ (たま)(かづら) 絶ゆることなく 万代(よろづよ)に かくしもがもと 天地(あめつち)の 神をぞ(いの)る (かしこ)くあれども

反歌二首
921 万代(よろづよ)に ()とも()かめや み吉野の たぎつ河内(かふち)の 大宮(おほみや)ところ
922 (みな)(ひと)の (いのち)も我れも み吉野の 滝の(とき)()の 常ならぬかも

山部宿禰赤人が作る歌二首 (あは)せて短歌
923 やすみしし ()大君(おほきみ)の (たか)()らす 吉野の宮は たたなづく 青垣(こも)り 川なみの 清き河内(かふち)ぞ 春へは 花咲きををり 秋されば (きり)立ちわたる その山の いやしくしくに この川の 絶ゆることなく ももしきの 大宮人(おほみやひと)は 常に(かよ)はむ

反歌二首
924 み吉野の (きさ)(やま)()の ()(ぬれ)には ここだも(さわ)く 鳥の声かも   故地
925 ぬばたまの ()()けゆけば (ひさ)()()ふる 清き川原(かはら)に 千鳥しば鳴く   

926 やすみしし ()大君(おほきみ)は み吉野の (あき)()小野(をの)の 野の(うへ)には (あと)()()ゑ置きて み山には ()()立て渡し (あさ)(がり)に 鹿()()()み起し (ゆふ)(がり)に 鳥踏み立て 馬()めて ()(かり)ぞ立たす 春の(しげ)()

反歌一首
927 あしひきの 山にも野にも ()(かり)(ひと) さつ矢()(はさ)み (さわ)きてありみゆ

右は、先後を(つばひ)らかにせず。ただし、便(たより)をもちての(ゆゑ)に、この(つぎて)()す。

冬の十月に、難波(なには)(みや)(いでま)す時に、笠朝臣金村(かさのあそみかなむら)が作る歌一首 (あは)せて短歌   故地
928 おしてる 難波(なには)の国は (あし)(かき)の ()りにし里と 人皆の 思ひやすみて つれもなく ありし(あひだ)に 続麻(うみを)なす 長柄(ながら)の宮に 真木(まき)(ばしら) (ふと)(たか)()きて ()す国を (をさ)めたまへば 沖つ鳥 (あぢ)()(はら)に もののふの 八十(やそ)(とも)()は (いほ)りして 都成したり 旅にはあれども

反歌二首
929 (あら)()らに 里はあれども 大君(おほきみ)の 敷きます時は 都となりぬ
930 海人(あま)娘子(をとめ) (たな)なし小舟(をぶね) ()()らし 旅の宿(やど)りに (かぢ)(おと)聞こゆ

車持朝臣千年(くるまもちのあそみちとせ)が作る歌一首 并せて短歌
931 鯨魚(いさな)取り 浜辺(はまへ)を清み うち(なび)き ()ふる玉藻(たまも)に 朝なぎに 千重(ちへ)(なみ)寄せ 夕なぎに 五百重(いほへ)(なみ)寄す ()つ波の いやしくしくに 月に()に ()()()とも 今のみに ()()らめやも 白波の おさき(めぐ)れる 住吉(すみのえ)の浜

反歌一首
932 白波の 千重(ちへ)に来寄する 住吉(すみのえ)の 岸の埴生(はにふ)に にほひて行かな

山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)が作る歌一首 并せて短歌
933 天地(あめつち)の 遠きがごとく ()(つき)の 長きがごとく おしてる 難波(なには)の宮に ()大君(おほきみ) 国知らすらし ()()つ国 日の()調(つき)と 淡路(あはぢ)の ()(しま)海人(あま)の (わた)の底 (おき)海石(いくり)に 鰒玉(あはびたま) さはに(かづ)() (ふね)()めて (つか)(まつ)るし (たふと)し見れば   故地

反歌一首
934 朝なぎに (かぢ)(おと)聞こゆ ()()つ国 野島(のしま)()()の 舟にしあるらし

三年丙寅(ひのえとら)の秋の九月の十五日に、播磨(はりま)の国の印南野(いなみの)(いでま)す時に、笠朝臣金村(かさのあそみかなむら)が作る歌一首 并せて短歌
935 ()()(すみ)の (ふな)()ゆ見ゆる 淡路島(あわぢしま) (まつ)()(うら)に 朝なぎに (たま)()刈りつつ 夕なぎに ()(しほ)焼きつつ 海人(あま)娘子(をとめ) ありとは聞けど 見に行かむ よしのなければ ますらをの 心はなしに たわや()の 思ひたわみて た(もとほ)り 我れはぞ恋ふる (ふな)(かぢ)をなみ   故地

反歌二首
936 玉藻(たまも)刈る 海人(あま)娘子(をとめ)ども 見に行かむ 舟楫(ふなかぢ)もがも 波高くとも
937 行き(めぐ)り ()とも()かめや ()()(すみ)の (ふな)()の浜に しきる白波

山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)が作る歌一首 并せて短歌
938 やすみしし 我が大君(おほきみ)の (かむ)ながら (たか)()らせる 印南野(いなみの)の 邑美(おふみ)の原の 荒栲(あたはへ)の 藤井(ふぢゐ)の浦に (しび)釣ると 海人(あま)(さわ)き 塩焼くと 人ぞさはにある 浦をよみ うべも釣りはす 浜をよみ うべも塩焼く あり通ひ ()さくもしるし 清き白浜

反歌三首
939 沖つ波 ()(なみ)静けみ (いざ)りすと 藤江(ふぢえ)の浦に 舟ぞ(さわ)ける   故地
940 ()(なみ)()の (あさ)()押しなべ さ()()の ()長くしあれば 家し(しの)はゆ   
941 明石(あかし)(がた) (しほ)()の道を 明日(あす)よりは (した)()ましけむ 家(ちか)づけば

(から)()の島を過ぐる時に、山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)が作る歌一首 并せて短歌   故地
942 あぢさはふ (いも)()()れて (しき)(たへ)の 枕もまかず 桜皮(かには)巻き 作れる船に ()(かぢ)()き 我が()()れば 淡路(あはぢ)の ()(しま)も過ぎ 印南(いなみ)()() (から)()の島の 島の()ゆ 我家(わぎへ)を見れば 青山の そことも見えず (しら)(くも)も ()()になり()ぬ ()ぎたむる 浦のことごと 行き隠る 島の(さきざき)々 (くま)も置かず 思ひぞ我が()る 旅の()長み   

反歌三首
943 (たま)()刈る (から)()の島に (しま)()する ()にしもあれや 家思はずあらむ
944 (しま)(がく)り 我が()()れば (とも)しかも 大和(やまと)(のぼ)る ま熊野の船
945 風吹けば 波か立たむと さもらひに ()()細江(ほそえ)に (うら)(がく)()

敏馬(みぬめ)の浦を過ぐる時に、山部宿禰赤人が作る歌一首 (あは)せて短歌   故地
946 ()()(むか)ふ 淡路(あはじ)の島に (ただ)(むか)ふ 敏馬(みぬめ)(うら)の (おき)()には (ふか)海松(みる)()り (うら)みには なのりそ刈る 深海松の 見まく()しけど なのりその おのが名惜しみ ()使(つかひ)も ()らずて我れは 生けりともなし

反歌一首
947 須磨(すま)海女(あま)の 塩焼き(きぬ)の なれなばか (ひと)()も君を 忘れて思はむ   故地

右は、作歌の年月いまだ(つばひ)らかにあらず。ただし、(たぐひ)をもちての(ゆゑ)に、この(つぎて)()す。

四年(ひのと)()の春の正月に、諸王(おほきみたち)諸臣子(おみのこ)(たち)(みことのり)して、(じゅ)(たう)(れう)(さん)(きん)せしむる時に作る歌一首 (あは)せて短歌
948 (くず)()ふ 春日(かすが)の山は うち(なび)く 春さりゆくと (やま)(がひ)に (かすみ)たなびき 高円(たかまと)に うぐひす鳴きぬ もののふの 八十(やそ)(とも)()は (かり)がねの ()()ぐこのころ かく継ぎて 常にありせば 友()めて 遊ばむものを 馬()めて 行かまし里を 待ちかてに 我がせし春を かけまくも あやに(かしこ)く 言はまくも ゆゆしくあらむと あらかじめ かねて知りせば 千鳥(ちどり)鳴く その佐保(さほ)(がは)に 岩に()ふる (すが)の根採りて しのふくさ (はら)へてましを 行く水に みそぎてましを (おお)(きみ)の (みことかしこ)畏み ももしきの 大宮人(おおみやひと)の (たま)(ほこ)の 道にも()でず 恋ふるこのころ   故地

反歌一首
949 (うめ)(やなぎ) 過ぐらく惜しみ ()()の内に 遊びしことを 宮もとどろに    

右は、神亀四年の正月に、数王子(みこたち)諸臣子等(おみのこたち)と、春日野に(つど)ひて()(きう)(あそび)をなす。その日たちまちに(そら)(くも)り雨ふり雷電(いなびかり)す。この時に、宮の(うち)侍従(じじゆ)(じゑい)衛と無し。(みことのり)して刑罰に行ひ、みな授刀寮(じゆたうれう)散禁(さんきん)せしめ、(みだ)りて道路に出づること得ざらしむ。その時に悒憤(いぶせ)みし、すなはちこの歌を作る。作者いまだ(つばひ)らかにあらず。

五年(つちのえ)(たつ)に、難波(なには)の宮に(いで)す時に作る歌四首
950 大君(おほきみ)の (さか)ひたまふと 山守(やまもり)()ゑ ()るといふ山に 入らずはやまじ
951 見わたせば 近きものから (いは)(がく)り かがよふ玉を 取らずはやまじ
952 (から)(ころも) ()奈良(なら)の里の (つま)(まつ)に 玉をし()けむ よき人もがも
953 さを鹿(しか)の 鳴くなる山を 越え行かむ 日だにや君が はた()はずあらむ

右は、笠朝臣金村が歌の中に出づ。(ある)いは「車持朝臣千年(くるまもちのあそみちとせ)が作」といふ

膳部王(かしはでのおほきみ)が歌一首
954 (あした)は 海辺(うみへ)にあさりし (ゆふ)されば 大和へ越ゆる (かり)(とも)しも

右は、作歌の年(つばひ)らかにあらず。ただし、歌の(たぐひ)をもちて、すなはちこの(つぎて)()す。

大宰少弐(だざいのせうに)石川朝臣足人(いしかはのあそみたるひと)が歌一首
955 さす竹の 大宮(おほみや)(ひと)の 家と住む 佐保(さほ)の山をば 思ふやも君

(そち)大伴卿(おほとものまへつきみ)(こた)ふる歌一首
956 やすみしし 我が(おほ)(きみ)の ()す国は 大和(やまと)もここも 同じとぞ思ふ   故地

冬の十一月に、大宰の官人等、香椎(かしひ)(みや)(をろが)みまつることを(をは)りて、退(まか)り帰る時に、馬を香椎の浦(とど)めて、おのもおのも(おのひ)を述べて作る歌 故地

師大伴卿(そちおほとものまへつきみ)が歌一首

957 いざ子ども 香椎(かしひ)(かた)に (しろ)(たへ)の (そで)さへ()れて (あさ)()()みてむ

大弐(だいに)小野老朝臣(をののおゆあそみ)が歌一首
958 時つ風 吹くべくなりぬ ()(しひ)(がた) 潮干(しほひ)(うら)に (たま)()刈りてな

豊前守(とよのみちのくちのかみ)宇努首男人(うぬのおびとをひと)が歌一首
959 行き帰り 常に我が見し ()(しひ)(がた) 明日(あす)(のち)には 見むよしもなし

帥大伴卿、吉野の離宮(とつみや)(はる)かに(しの)ひて作る歌一首
960 隼人(はやひと)の 瀬戸の(いはほ)も (あゆ)走る 吉野の滝に なほしかずけり

(そち)大伴卿(おほとものまへつきみ)(すき)()温泉()宿(やど)り、(たづ)の声を聞きて作る歌一首   故地
961 湯の原に 鳴く(あし)(たづ)は 我がごとく (いも)に恋ふれや 時わかず鳴く

天平二年庚午(かのえうま)に、(みことのり)して擢駿馬使(てきしゆんめし)大伴道足宿禰(おほとものみちたりのすくね)(つか)はす時の歌一首
962 奥山の 岩に(こけ)()し (かしこ)くも 問ひたまふかも 思ひあへなくに

右は、(ちょく)使()大伴道足宿禰の(そち)の家にして(あへ)す。この日に、会集(つど)衆諸(もろひと)駅使(はゆまづかひ)葛井連広成(ふぢゐのむらじひろなり)(あひ)(さそ)ひて、「歌詞を作るべし」といふ。すなはち、広成声に(こた)へて(すなは)ちこの歌を(うた)ふ。

冬の十一月に、大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)(そち)の家を()ちて道に(のぼ)り、筑前(つくしのみちのくち)の国の宗像(むなかた)(こほり)()()(やま)を越ゆる時に作る歌   故地
963 大汝(おほなむち) 少彦名(すくなびこな)の 神こそば ()()けそめけめ 名のみを ()()(やま)()ひて 我が恋の ()()(ひと)()も (なぐさ)めなくに

同じき坂上郎女、京に向ふ(うみ)()にして、浜の貝を見て作る歌一首
964 我が()()に 恋ふれば苦し (いとま)あらば (ひり)ひて行かむ 恋忘れ貝

冬の十二月に、大宰帥(だざいのそち)大伴卿(おほとものまへつきみ)、京に(のぼ)る時に、娘子(をとめ)が作る歌二首
965 おほならば かもかもせむを (かしこ)みと 振りたき(そで)を (しの)びてあるかも
966 大和(やまと)()は (くも)(がく)りたり しかれども 我が振る袖を なめしと()ふな

右は、大宰師大伴卿、大納言(だいなごん)を兼任し、京に向ひて道に(のぼ)る。この日に、馬を水城(みづき)(とど)めて、府家(ふか)(かへり)み望む。その時に、卿を送る府吏(ふり)の中に、遊行女婦(うかれめ)あり、その(あざな)児島(こしま)といふ。ここに、娘子(をとめ)、この別れの(やす)きことを(いた)み、その()ひの(かた)きことを嘆き、(なみだ)(のご)ひて自ら袖を振る歌を(うた)ふ。   故地

大納言(だいなごん)大伴卿が(こた)ふる歌二首
967 大和(やまと)()の 吉備(きび)児島(こしま)を 過ぎて行かば 筑紫(つくし)児島(こしま) 思ほえむかも
968 ますらをと 思へる我れや (みづ)(くき)の (みづ)()(うへ)に (なみた)(のご)はむ

三年辛未(かのとひつじ)に、大納言大伴卿、()()の家に在りて、故郷を思ふ歌二首
969 しましくも 行きて見てしか (かむ)なびの (ふち)はあせにて 瀬にかなるらむ
970 さすすみの (くる)()小野(をの)の (はぎ)の花 散らむ時にし 行きて()()けむ
   

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