奈良県明日香村

高市郡明日香村豊浦

甘樫丘

采女の 袖吹きかへす 明日香風

 都を遠み いたづらに吹く

巻1−51

高市郡明日香村小山

紀寺跡近く

いにしへの ことは知らぬを 我れ見ても

 久しくなりぬ 天の香具山

巻7−1096

高市郡明日香村飛鳥

甘樫橋東

今日もかも 明日香の川の 夕さらず

 かはづ鳴く瀬の さやけくあるらむ

巻3−356

高市郡明日香村雷

雷丘東

大君は 神にしませば 天雲の

 雷の上に 廬らせるかも

巻3−235

高市郡明日香村雷

雷橋右岸上流堤

我がやどの 蒔きしなでしこ いつしかも

 花に咲きなむ なそへつつ見む

巻8−1448

高市郡明日香村雷

雷橋右岸上流堤

明日香川 明日も渡らむ 石橋の

 遠き心は 思ほえぬかも

巻11−2701

高市郡明日香村雷

雷橋右岸上流堤

飛ぶ鳥 明日香の里を 置きて去なば

 君があたりは 見えずかもあらむ

巻1−78

高市郡明日香村飛鳥

飛鳥寺

みもろの 神なび山に 五百枝さし

 繁に生ひたる 栂の木の・・・

明日香川 川淀さらず 立つ霧の

 思ひ過ぐべき 恋にあらなくに

巻3−324・325

高市郡明日香村飛鳥

飛鳥坐神社

大君は 神にしませば 赤駒の

 腹這ふ田居を 都と成しつ

巻19−4260

高市郡明日香村小原

大原神社・伝鎌足生誕地

我が里に 大雪降れり 大原の

 古りにし里に 降らまくは後

我が岡の おかみに言ひて 降らしめし

 雪のくだけし そこに散りけむ

巻2−103・104

高市郡明日香村小原

万葉文化館入口交差点近く

大原の このいち柴の いつしかと

 我が思ふ妹に 今夜逢へるかも

巻4−513

高市郡明日香村飛鳥

万葉文化館庭園

天橋も 長くもがも 高山も 高くもがも

月夜見の 持てるをち水 い取り来て

 君に奉りて をち得てしかも

巻13−3245

高市郡明日香村飛鳥

万葉文化館庭園

片岡の この向つ峰に 椎蒔かば

 今年の夏の 蔭にならむか

巻7−1099

高市郡明日香村飛鳥

万葉文化館庭園

皆人の 命も我れも み吉野の

 滝の常磐の 常ならぬかも

巻6−922

高市郡明日香村飛鳥

万葉文化館庭園

春日にある 御笠の山に 月の舟出づ

 風流士の 飲む酒坏に 影に見えつつ

巻7−1295

高市郡明日香村飛鳥

万葉文化館庭園

君を待つ 松浦の浦の 娘子らは

 常世の国の 海人娘子かも

巻5−865

高市郡明日香村飛鳥

民俗資料館

大口の 真神の原に 降る雪は

 いたくな降りそ 家もあらなくに

巻8−1636

高市郡明日香村飛鳥

飛鳥橋北

明日香川 しがらみ渡し 塞かませば

 流るる水も のどにかあらまし

巻2−197

高市郡明日香村岡

犬養万葉記念館

山吹の 立ちよそひたる 山清水

 汲みに行かめど 道の知らなく

巻2−158

高市郡明日香村橘

橘寺東門東・飛鳥川沿い

明日香川 瀬々の玉藻の うち靡き

 心は妹に 寄りにけるかも

巻13−3267

高市郡明日香村川原

川原寺跡前道路沿い

世間の 繁き仮廬に 住み住みて

 至らむ国の たづき知らずも

巻16−3850

高市郡明日香村橘

川原バス停南

うつせみと 思ひし時に 取り持ちて

 我がふたり見し 走出の・・・

巻2−210

高市郡明日香村橘

明日香小学校中庭

銀も 金も玉も 何せむに

 まされる宝 子にしかめやも

巻5−803

高市郡明日香村野口

上山古墳頂上

いにしへに 恋ふらむ鳥は ほととぎす

 けだしや鳴きし 我が恋ふるごと

巻2−112

高市郡明日香村平田

飛鳥歴史公園・高松塚前小丘

立ちて思ひ 居てもぞ思ふ 紅の

 赤裳裾引き いにし姿を

巻11−2550

高市郡明日香村下平田

欽明陵南遊歩道

さ檜隈 檜隈川の 瀬を早み

 君が手取らば 言依せむかも

巻7−1109

高市郡明日香村島庄

石舞台古墳近く

御食向ふ 南淵山の 巌には

 降りしはだれか 消え残りたる

巻9−1709

高市郡明日香村島庄

島庄休憩園地

島の宮 上の池なる 放ち鳥

 荒びな行きそ 君座さずとも

巻2−172

高市郡明日香村祝戸

玉藻橋畔

明日香川 瀬々に玉藻は 生ひたれど

 しがらみあれば 靡きあはなくに

巻7−1380

高市郡明日香村阪田

飛鳥稲淵宮跡

明日香川 七瀬の淀に 住む鳥も

 心あれこそ 波立てざらめ

巻7−1366

高市郡明日香村阪田

阪田寺跡

御食向ふ 南淵山の 巌には

 降りしはだれか 消え残りたる

巻9−1709

高市郡明日香村稲淵

飛鳥川飛び石近く

明日香川 明日も渡らむ 石橋の

 遠き心は 思ほえぬかも

巻11−2701

万葉集 万葉歌碑 奈良県 明日香村

万葉集を携えて

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