八尾第一万葉植物公園  八尾市恩智中町

さなかづら(ビナンカズラ)

あしひきの 山さな葛 もみつまで

 妹に逢はずや 我が恋ひ居らむ

巻10−2296

ふぢ(フジ)

藤波の 花は盛りに なりにけり

 奈良の都を 思ほすや君

巻3−330

ひさき(アカメガシワ)

ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木生ふる

 清き川原に 千鳥しば鳴く

巻6−925

ゆづるは(ユズリハ)

いにしへに 恋ふる鳥かも 弓弦葉の

 御井の上より 鳴き渡り行く

巻2−111

ねぶ(ネムノキ)

昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木の花

 君のみ見めや 戯奴さへに見よ

巻8−1461

あふち(センダン)

玉に貫く 楝を家に 植ゑたらば

 山ほととぎす 離れず来むかも

巻17−3910

しきみ(シキミ)

奥山の しきみが花の 名のごとや

 しくしく君に 恋ひわたりなむ

巻20−4476

さかき(サカキ)

奥山の 賢木の枝に しらか付け

 木綿取り付けて・・・

巻3−379の一部

つつじ(ツツジ)

水伝ふ 磯の浦みの 岩つつじ

 茂く咲く道を またも見むかも

巻2−185

やなぎ(シダレヤナギ)

うち靡く 春立ちぬらし 我が門の

 柳の末に うぐひす鳴きつ

巻10−1819

つばき(ツバキ)

巨勢山の つらつら椿 つらつらに

 見つつ偲はな 巨勢の春野を

巻1−54

まゆみ(マユミ)

南淵の 細川山に 立つ檀

 弓束巻くまで 人に知らえじ

巻7−1330

をばな(ススキ)

人皆は 萩を秋と言ふ よし我れは

 尾花が末を 秋とは言はむ

巻10−2110

もも(モモ)

春の園 紅にほふ 桃の花

 下照る道に 出で立つ娘子

巻19−4139

うめ(ウメ)

春されば まづ咲くやどの 梅の花

 ひとり見つつや 春日暮らさむ

巻5−818

あぢさゐ(アジサイ)

あぢさゐの 八重咲くごとく 八つ代にを

 いませ我が背子 見つつ偲はむ

巻20−4448

かつら(カツラ)

黄葉する 時になるらし 月人の

 桂の枝の 色づく見れば

巻10−2202

あし(アシ)

葦辺行く 鴨の羽がひに 霜降りて

 寒き夕は 大和し思ほゆ

巻1−64

まつ(マツ)

岩代の 浜松が枝を 引き結び

 ま幸くあらば また帰り見む

巻2−141

たまばはき(コウヤボウキ)

初春の 初子の今日の 玉箒

 手に取るからに 揺らく玉の緒

巻20−4493

さきくさ(ミツマタ)

春されば まづさきくさの 幸くあらば

 後にも逢はむ な恋ひそ我妹

巻10−1895

やまぶき(やまぶき)

山吹の にほえる妹が はねず色の

 赤裳の姿 夢に見えつつ

巻11−2786

     

八尾第二万葉植物公園  八尾市大竹

公園が無くなりました(2009・7情報)

しひ(シイ)

片岡の この向つ峰に 椎蒔かば

 今年の夏の 蔭にならむか

巻7−1099

つるはみ(クヌギ)

橡の 解き洗ひ衣の あやしくも

 ことに着欲しき この夕かも

巻7−1314

やなぎ(シダレヤナギ)

霜枯れの 冬の柳は 見る人の

 かづらにすべく 萌えにけるかも

巻10−1846

おほゐぐさ(フトイ)

上つ毛野 伊奈良の沼の 大藺草

 外に見しよは 今こそまされ

巻14−3417

むろ(ネズミサシ)

我妹子が 見し鞆の浦の むろの木は

 常世にあれど 見し人ぞなき

巻3−446

ひ(ヒノキ)

鳴る神の 音のみ聞きし 巻向の

 檜原の山を 今日見つるかも

巻7−1092

はまゆふ(ハマオモト)

み熊野の 浦の浜木綿 百重なす

 心は思へど 直に逢はぬかも

巻4−496

わすれぐさ(ノカンゾウ)

忘れ草 我が紐に付く 香具山の

 古りにし里を 忘れむがため

巻3−334

なつめ(ナツメ)

玉箒 刈り来鎌麻呂 むろの木と

 棗が本と かき掃かむため

巻16−3830

うまら(ノイバラ)

道の辺の 茨の末に 延ほ豆の

 からまる君を はかれか行かむ

巻20−4352

すすき(ススキ)

婦負の野の すすき押しなべ 降る雪に

 宿借る今日し 悲しく思ほゆ

巻17−4016

はぎ(ハギ)

秋の野に 咲ける秋萩 秋風に

 靡ける上に 秋の露置けり

巻8−1597

なし(ナシ)

黄葉の にほひは繁し しかれども

 妻梨の木を 手折りかざさむ

巻10−2188

つばき(ツバキ)

川の上の つらつら椿 つらつらに

 見れども飽かず 巨勢の春野は

巻1−56

ほほがしは(ホオノキ)

我が背子が 捧げて持てる ほほがしは

 あたかも似るか 青き蓋

巻19−4204

くは(クワ)

たらちねの 母がその業る 桑すらに

 願へば衣に 着るといふものを

巻7−1357

やまぶき(ヤマブキ)

花咲きて 実はならねども 長き日に

 思ほゆるかも 山吹の花

巻10−1860

くり(クリ)

瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば

 まして偲はゆ・・・

巻5−802の一部

すもも(スモモ)

我が園の 李の花か 庭に散る

 はだれのいまだ 残りてあるかも

巻19−4140

 

大阪府に戻る

inserted by FC2 system