五幡 鹿蒜

福井県敦賀市五幡・南条郡南越前町

掾久米朝臣広繩が館にして、田辺史福麻呂に饗する宴の歌

可敝流みの 道行かむ日は 五幡の 坂に袖振れ 我れをし思はば  巻18−4055

「五幡」は敦賀市の北部の海岸沿いの集落である。

古道・北陸道はこの辺りから山越えになり「可敝流」(鹿蒜)に向う。

この歌は、橘諸兄の使いとして高岡に来ていた田辺史福麻呂が京に帰る時の歌で、

家持はここ五幡に着いたら袖を振れという。

ここからは船で角鹿(敦賀)湾を渡り、近江の国へと帰路を取る。

五幡は越の国に別れを告げる旅情の地であったのだろう。

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万葉歌碑は五幡神社の境内・灯篭石に刻されている。

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南越前町今庄には「可敝流」の名を留める「鹿蒜神社」がある。

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