引津の亭  引津湾

福岡県糸島郡志摩町船越

引津の亭に船泊りして作る歌

草枕 旅を苦しみ 恋ひ居れば 可也の山辺に さを鹿鳴くも  巻15−3674

沖つ波 高く立つ日に あへりきと 都の人は 聞きてけむかも  巻15−3675

天飛ぶや 雁を使に 得てしかも 奈良の都に 言告げ遣らむ  巻15−3676

秋の野を にほはす萩は 咲けれども 見る験なし 旅にしあれば  巻15−3677

妹を思ひ 寐の寝らえぬに 秋の野に さを鹿鳴きつ 妻思ひかねて  巻15−3678

大船に 真楫しじ貫き 時待つと 我れは思へど 月ぞ経にける  巻15−3679

夜を長み 寐の寝らえぬに あしひきの 山彦響め さを鹿鳴くも  巻16−3680

引津湾(船越)から可也山

・・・

遣新羅使人の停泊地「引津」だ。

玄海灘に突出する志摩半島の引津湾・船越湾は良い停泊地なのであろう。

だが、前の停泊地が唐泊で、次がここ引津、海路は遅々として進んでいない。

もう初秋になってしまったのに・・・

新羅は遠い。

・・・・・

志摩町の万葉歌碑(遣新羅使人)


志摩町船越 綿積神社
巻15−3674


志摩町初 中央公園
巻15−3675巻15−3680

志摩町初 町役場
巻15−3674

この引津は、遣新羅使人の歌以外にも詠まれている。

梓弓 引津の辺なる なのりその花 摘むまでに 逢はずあらめやも なのりその花  巻7−1279

この歌の碑は、綿積神社にある。

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