安達太良

福島県二本松市

陸奥の 安達太良真弓 弦はけて 引かばか人の 我を言なさむ  巻7−1329

安達太良の 嶺に伏す鹿猪の ありつつも 我れは至らむ 寝処な去りそね  巻14−3428

陸奥の 安達太良真弓 はじき置きて 反らしめきなば 弦はかめかも  巻14−3437

右は陸奥の国の歌

安達太良山

(智恵子、青い空が見えない)

二本松市の西方にあり、標高1699b

・・・・・

安達太良山といえば、『万葉集』よりも『智恵子抄』が思い浮ぶ。

二本松市の旧安達町に智恵子の生家があるというので訪れた。

ベトオフェンの「田園」が流れる生家

・・・

智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみの空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながらいふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。

     高村光太郎「智恵子抄」

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