長門の島 広島県呉市倉橋町宮浦 風早の浦に船泊りする夜に作る歌二首安芸の国の長門の島にして磯辺に船泊りして作る歌五首 石走る 滝もとどろに 鳴く蝉の 声をし聞けば 都し思ほゆ 巻15−3617 山川の 清き川瀬に 遊べども 奈良の都は 忘れかねつも 巻15−3618 磯の間ゆ たぎつ山川 絶えずあらば またも相見む 秋かたまけて 巻15−3619 恋繁み 慰めかねて ひぐらしの 鳴く島蔭に 廬りするかも 巻15−3620 我が命を 長門の島の 小松原 幾代を経てか 神さびわたる 巻15−3621 長門の浦より船出する夜に、月の光を仰ぎ観て作る歌三首 月読の 光を清み 夕なぎに 水手の声呼び 浦み漕ぐかも 巻15−3622 山の端に 月傾けば 漁りする 海人の燈火 沖になづさふ 巻15−3623 我れのみや 夜船は漕ぐと 思へれば 沖辺の方に 楫の音すなり 巻15−3624 のどかな桂浜海岸、海水浴の人たちで賑っている。松原のあちこちにテントを張っている若者たちもいる。 遣新羅使人たちもこの海岸で船泊りをしたという。 カレーライス・焼肉を作り、ビールを飲み、嬌声をあげて戯れる若者たちとは違い、 遣新羅使人たちはどのような思いで夕食を作り、どのような姿で仮眠を取っていたのだろう。 ・・・・・ 倉橋町の万葉歌碑
・・・・・・・ 倉橋町鳴滝の歌碑について 山道の険しいところに建つと聞いていたので、鳴滝のバス停近くの民家から出てきたおばさんに歌碑のことを尋ねた。 指示す方向には岩がごろごろ剥き出しになった急な斜面の山肌。 最近、滝から水を引くために草刈をしたからまだ道らしきものはあるでしょう、でもたいへんですよ、おばさんも行ったことがないという。 蛇(はみ)が出るからこの鉄の火箸を持って行きなさいと渡してくれた。カンカン鳴らしながら登れという。恐ろしいところにある歌碑だ。 急勾配の山道を登る。草深く、本当に蛇が出そうだ。 山道が歌碑と同じ高さになっても、歌碑に続く道がない。深い渓谷に挟まれている。どうやら道を間違ったらしい。 もうここで満足、遠くからだがこの写真を撮った。上の写真は田村さんにいただいた。 中央やや下の白い点が歌碑 |
万葉集 万葉故地 広島 長門の島 倉橋