藤江の浦

兵庫県明石市松江

柿本朝臣人麻呂が羈旅の歌

荒栲の 藤江の浦に 鱸釣る 海人とか見らむ 旅行く我れを  巻3−252

明石大橋から西に数`行くと松江海岸がある。ここが「藤江の浦」といわれる。

ここに旅姿の柿本人麻呂像があり、はるか明石海峡を望んでいる。台座に巻3−252の歌が刻されている。

現在の「藤江の浦」は、松江海水浴場となっていて、季節が違うが犬と散歩する人、砂浜で戯れる人、夕日を眺める人などがいる。

今も漁場となっているのだろう、海沖合いにはたくさんの杭のようなものが水面に並ぶ。

養殖だろうか、明石のたこ壺を下げているのだろうか、私には詳しくはわからないが。

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その他に、「藤江」を詠んだ万葉歌

山部宿禰赤人が作る歌

やすみしし 我が大君の 神ながら 高知らせる 印南野の 邑美の原の 荒栲の 藤井の浦に 鮪釣ると 海人舟騒き 塩焼くと

 人ぞさはにある 浦をよみ うべも釣りはす 浜をよみ うべも塩焼く あり通ひ 見さくもしるし 清き白浜  巻6−938

沖つ波 辺波静けみ 漁りすと 藤江の浦に 舟ぞ騒ける  巻6−939

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白栲の 藤江の浦に 漁りする 海人とや見らむ 旅行く我れを  巻15−3607

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