薩摩の瀬戸  黒の瀬戸

鹿児島県出水郡長島町山門野

長田王が作る歌一首

隼人の 薩摩の瀬戸を 雲居なす 遠くも我れは 今日見つるかも  巻3−248

向こうは遠く東シナ海

向こうは八代海

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阿久根市と長島の間にある海峡で、現在は黒の瀬戸と呼ばれる。

まるで大河のように潮が流れる。

昭和49年黒の瀬戸大橋が開通し、車で、自転車で、歩いて、走って、渡れるようになった。それまでは、唯一渡し船だったという。

写真を撮るため橋の真ん中辺りまで歩いた。500bの橋だから、かなり長い。

左右の景観はすごい。雄大な眺めだ。ふと下をみるとえらい高い、足がすくむ。

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長島町側に万葉歌碑がある。(長島町山門野渡口の丘)

万葉歌がもうひとつあって、

帥大伴卿、吉野の離宮を遥かに思ひて作る歌一首

隼人の 瀬戸の巌も 鮎走る 吉野の滝に なほしかずけり  巻6−960

この歌の万葉歌碑もある。(長島町山門野・田尻小学校)

この歌、大伴旅人の歌だ。

征隼人の将軍のときか、大宰府の帥のときにこの地にやってきたのだろうといわれるが、私はどうもこの地の歌ではないように思う。

こんなすごい絶景を見ているのに、吉野の滝の方がもっとすごいと詠うだろうか。いくら望郷の念とはいえ。

 

・・・・・追記・・・・・

黒之瀬戸大橋を渡って長島町に入ると、道の駅「黒之瀬戸だんだん市場」があり、その上の展望台が「うずしおパーク」。

2基の万葉歌碑がある。

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隼人の 薩摩の瀬戸を 雲居なす 遠くも我れは 今日見つるかも  巻3−248

隼人の 瀬戸の巌も 鮎走る 吉野の滝に なほしかずけり  巻6−960

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