葛城山

葛城市・御所市

春柳 葛城山に 立つ雲の 立ちても居ても 妹をしぞ思ふ  巻11−2453

万葉で詠われた葛城山は、

奈良県と大阪府の県境にある葛城連山の総称で、南は金剛山、北へ葛城山、二上山に連なる。

歌中の「春柳」は、春の柳を髪に挿して葛にすることから葛城山の枕詞としている。

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金剛山(1112b)

金剛山山頂から葛城山を望む

山頂に坐す葛木神社

葛城山(959b)

山頂に坐す葛城天神社

5月、葛城山の南斜面は一面真っ赤なツツジで覆われる。

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葛城の 襲津彦真弓 新木にも 頼めや君が 我が名告りけむ  巻11−2639

葛城一言主神社

葛城の襲津彦は、『古事記』孝元天皇の条に

「山下影日売を娶して生みし子、建内宿禰。この建内宿禰の子・・・葛城長江曾都毘古」とある。

長江とは現在の御所市長柄の地をいうと思われ、ここ葛城山の麓を本拠にした葛城氏一族の祖である。

仁徳天皇の皇后磐姫の父としても有名である。

葛城一言主神社は、葛城山南東の麓にあり、事代主命と雄略天皇を祀る。

俗に「一言神さん」といわれる。

『古事記』に、

雄略天皇が葛城山で狩猟をしていた時、この葛城の一言主の大神が天皇と同じ姿で現れ、狩猟を競ったとある。

葛城山は信仰の山として崇められてきた。

境内には歌碑が立つ。

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葛城の 高間の草野 早知りて 標刺さましを 今ぞ悔しき  巻7−1337

この歌の意は、女を横取りされた男の嘆きを詠んでいるが、

高間とは高天でもあり、ここ葛城山が高天原の地という説がある。

神々の住む高天原である。

高天彦神社には「高天原古跡地碑」が建つ。

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