雲梯の社 河俣神社

奈良県橿原市雲梯町

思はぬを 思ふと言はば 真鳥住む 雲梯の杜の 神し知らさむ  巻12−1300

河俣神社

祭神鴨八重事代主神。

大阪市住吉区の住吉大社から畝傍山の埴土を取りにくる行事(畝傍山口神社の神事)に際し、当社で装束を整えたことから装束の宮ともよばれた。

祭神・鎮座地から「延喜式」神名帳高市郡の「高市御県坐鴨事代主神社」に比定。

高市御県坐鴨事代主神社は「延喜式」出雲国造神賀詞に「事代主の命の御魂を宇奈提に坐せ」とみえるウナテの杜に鎮座した神。

皇室の守護として宮都近くに鎮座した神で、万葉集に「卯名手の社」と詠まれた。(寺院神社大辞典)

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河俣神社のある雲梯町は、畝傍山の北西3`くらいのところにあり、神社からも畝傍山が一望できる。

「雲梯の社」の全貌を写真に撮ってみたが、普通の神社の鎮守の森とそう変わらない。

とても真鳥(鷲)が住むとは思えない。当時はもっと広大な神域で、大きな森であったのだろう。

訪ねた日はカラスの姿さえ見られなかった。

境内に万葉歌碑がある。

雲梯の社がもう一首詠まれる。

真鳥住む 雲梯の社の 菅の根を 衣にかき付け 着せむ子もがも  巻7−1344

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