春日野 春日山

奈良市春日野町

見わたせば 春日の野辺に 霞立ち 咲きにほへるは 桜花かも  巻10−1872

物思ふと 隠らひ居りて 今日見れば 春日の山は 色づきにけり  巻10−2199

春日野は春日山の西麓一帯の野をいったもので、現在の鹿のいる奈良公園である。

東大寺あり、春日大社ありで、観光地として修学旅行生やおばちゃん・おっちゃんの団体、海外からの観光客も多く、

公園の鹿もびっくりしながらも、鹿せんべいを要求する。

でも、ちょっとその喧騒を外れると、鹿も休息したり食事をしたりしていて、静かな公園でもある。

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公園内の万葉歌碑

奈良市登大路町 県庁東側交差点

見わたせば 春日の野辺に 霞立ち 咲きにほへるは 桜花かも  巻10−1872

見渡者 春日之野邊尓 霞立 開艶者 櫻花鴨

奈良市登大路町 氷室神社

うらうらに 照れる春日に ひばり上り 心悲しも ひとりし思へば  巻19−4292

宇良宇良尓 照流春日尓 比婆理安我里 情悲毛 比登里志於母倍婆

奈良市春日野町 春日大社北参道

山上臣憶良、秋の野の花を詠む歌二首

秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花  巻8−1537

秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 七種花

奈良市春日野町 春日大社北参道

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花  巻8−1538

芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花

奈良市春日野町 春日大社萬葉植物園

紫は 灰さすものぞ 海石榴市の 八十の衢に 逢へる子や誰れ  巻12−3101

紫者 灰指物曽 海石榴市之 八十街尓 相兒哉誰

たらちねの 母が呼ぶ名を 申さめど 道行く人を 誰れと知りてか  巻12−3102

足千根乃 母之召名乎 雖白 路行人乎 孰跡知而可

奈良市雑司町 東大寺大仏殿横

藤皇后、天皇に奉る御歌一首

我が背子と ふたり見ませば いくばくか この降る雪の 嬉しくあらまし  巻8−1658

吾背兒与 二有見麻世波 幾許香 此零雪之 懽有麻思

奈良市雑司町 手向山八幡宮

湯原王が鳴鹿の歌一首

秋萩の 散りの乱ひに 呼びたてて 鳴くなる鹿の 声の遥けさ  巻8−1550

秋芽之 落乃乱尓 呼立而 鳴奈流鹿之 音遥者

奈良市雑司町 東大寺真言院

陸奥の国に金を出だす 詔書を賀く歌

天皇の 御代栄えむと 東なる 陸奥山に 金花咲く  巻18−4097

須賣呂伎能 御代佐可延牟等 阿頭麻奈流 美知乃久夜麻尓 金花佐久

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