佐紀沢 水上池 奈良市池上町 中臣女郎、大伴宿禰家持に贈る歌 をみなへし 佐紀沢に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも 巻4−675 平城宮の北辺は今も佐紀町と呼ぶ。 佐紀から北方には大きな陵墓がいくつもある。 西北から「神功皇后陵」「成務天皇陵」「孝謙天皇陵」「日葉酢媛命陵」「磐之媛命陵」「小奈辺陵墓参考地」「宇和奈辺陵墓参考地」などである。 また大きな池もある。「御前池」「佐紀池」「水上池」など。 その当時は、この辺りは湿地帯で、池や沼も多かったといわれる。陵墓を造るとき周濠の役割に転用もされたものもあろう。 池が当時のままとはいえないが、 磐之媛命陵の南にある一番大きな「水上池」周辺の湿地帯に「花かつみ」は咲いていて、 中臣女郎が大伴家持に贈った歌である。 ・・・・・ 磐之媛命陵 私が訪ねたのは7月、花かつみは見られない。 池の周囲に雑草が生い茂り、背の高いガマが褐色の穂をつけていた。 仁徳天皇の后、磐之媛命陵の近くだけに、 「磐之媛 佐紀沢に生ふる 背高ガマ がまんを知らぬ 恋もするかも」 なんて、勝手な偽歌を詠ってみた。お粗末! 万葉歌碑が水上池の傍に建つ。 |
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