由布の山

大分県由布市湯布院町

娘子らが 放りの髪を 由布の山 雲なたなびき 家のあたり見む  巻7−1244

由布岳

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大分県を車で走ると、どの地にいてもこの由布岳が見える。なんとなく神々しい。

豊後富士と呼ばれるが、うなづける。

山頂は西峰と東峰に分かれている。いかにも活火山の姿だ。西峰の方が高く、1583b。

古く、『豊後国風土記』に、

柚富の峯 柚富の郷の東北のかたにあり。 

此の峯の頂に石室あり。其の深さは一十丈余り、高さは八丈四尺、広さは三丈余りなり。常に氷の凝れるありて、夏を経れども解けず。

凡て、柚富の郷は此の峯に近し。因りて峯の名と為す。

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奈良時代、すでに「柚富の郷」と呼ばれる今の湯布院町は開けていた。

当時から人気の温泉郷だったのだろうか。

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万葉歌碑がある。

湯布院町 大分自動車道湯布院ICバス停

思ひ出づる 時はすべなみ 豊国の 由布山雪の 消ぬべく思ほゆ  巻10−2341

湯布院町川北 湯布院駅前

恋ひつつも 居らむとすれど 遊布麻山 隠れし君を 思ひかねつも  巻14−3475

この歌、巻十四だから東国の歌なんだけど、まあいいか。

湯布院町川南 山水館前

娘子らが 放りの髪を 由布の山 雲なたなびき 家のあたり見む  巻7−1244

湯布院町川南 大杵社境内

よしゑやし 恋ひじとすれど 木綿間山 越えにし君が 思ほゆらくに  巻12−3191

この歌の木綿間山、由布の山のことかなあ。

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