綜麻形 

滋賀県栗東市綣

綜麻形の 林のさきの さ野榛の 衣に付くなす 目につく我が背  巻1−19

「綜麻形へそかた」は所在不詳というのが通説であるが、栗東市に「綣へそ」という地名が残り、近江説としてこの地をあげる。

昔この辺りは東海道、東山道の交差点であり、さらに弥生・古墳時代の遺跡が多く発掘されており、古くから開けたところであった。

現在は住宅地として開け、榛原の面影は唯一古社「大宝神社」の鎮守の森に求められよう。

ここの住所は綣七丁目。

綜麻というのは、「つむいだ糸をつないで、環状に幾重にも巻いたもの」(広辞苑)、綣も同意の漢字であろう。

余談だが、「へそくり」といってこっそり小銭を貯めることをいうが、「綜麻繰り」と書く。

糸を繰ってこつこつ貯めたお金という意らしい。

だから、本来へそくりというのは女性がこつこつ貯めた小銭のことで、

一家の主が嫁さんに内緒でこそこそと貯めた小銭をいうのではない。男の権威が地に落ちる。

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