田上山 太神山

滋賀県大津市田上

藤原の宮の役民の作る歌

やすみしし 我が大君 高照らす 日の御子 荒栲の 藤原が上に 食す国を 見したまはむと みあらかは 高知らさむと

神ながら 思ほすなへに 天地も 寄りてあれこそ 石走る 近江の国の 衣手の 田上山の 真木さく 檜のつまでを

もののふの 八十宇治川に 玉藻なす 浮かべ流せれ そを取ると 騒く御民も 家忘れ 身もたな知らず 鴨じもの

水に浮き居て 我が作る 日の御門に 知らぬ国 寄し巨勢道より 我が国は 常世にならむ 図負へる くすしき亀も

新代と 泉の川に 持ち越せる 真木のつまでを 百足らず 筏に作り 泝すらむ いそはく見れば 神からにあらし

巻1−50

琵琶湖を水源とする瀬田川は、田上辺りで大戸川と合流し京都府で宇治川と名を変え、さらに木津川と合流する。

藤原宮の建設のため、近江の田上山の檜が使われた。

檜の丸太は大戸川まで運ばれて川に浮ばせた。瀬田川を流れ宇治川を流れて木津川合流地点まで運ばれた。

そこからは川を溯ることになる。丸太の筏を組んで役民はこれを引き上げていったという。

写真は瀬田川(大津市大石曽束町辺り)、川の前方正面奥に見える山が田上の山、最高峰太神山である。

宇治川にダムが作られたため瀬田川の様相も当時とは違うかもしれない。

でも、川筋そのものは当時と同じであろう、この川を檜の丸太が流されていった。

・・・・・

万葉歌碑 大津市田上枝町 田上公園

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