柿本人麻呂生誕地

島根県益田市戸田

益田市の西方、戸田の集落を訪ねた。柿本人麻呂の生誕地という。

静かな田園風景の小丘に生誕地の碑があり、御廟所なるものもある。

近くに柿本神社があり、この神社の宮司さんの私宅らしい。自由に出入させていただけるが。

伝承によると、

3世紀この地方に大和から小野族が移り住んだ。『延喜式』に「美濃郡・小野天大神之多初阿豆委居命神社」があるが、その小野族であろう。

この時柿本氏も移住し人麻呂の祖になるという。

神社の宮司さんは綾部さんといい、綾部氏も共に移住した氏で代々語り部として社家を守ってきた。現在50代目という。

この綾部家の女性と柿本家の男性の間に生まれたのが人麻呂という。

人麻呂が高角鴨山で亡くなり、後にその霊を祀ったのが柿本神社である。

江戸時代、神社で奇異なことが起りこの地を御廟地として遺髪塚を立てたという。

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柿本人麻呂の生誕地、終焉地ともに詳しくは史料は語らない。

万葉集巻2−223に「石見の国に在りて死に臨むときに、自ら傷みて作る歌」があり、この石見の国に多くの伝承が残るのであろう。

大和の阿騎野で「かぎろひ」の歌を詠み、引手の山で「泣血哀慟」する人麻呂が身近で、

この石見の国の生誕地はあまりに遠くすぎて実感がわかないのは私だけかな。でも、依羅娘子には大いに関心があるが。

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柿本神社

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