富士の高嶺

富士市

山部宿禰赤人、富士の山を望る歌一首 并せて短歌

天地の 分れし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 富士の高嶺を 天の原 降り放け見れば 渡る日の 影も隠らひ

照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり 時じくぞ 雪は降りける 語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ 富士の高嶺は

巻3−317

反歌

田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける  巻3−318

「天と地が分れた時から、神々しく高く貴い駿河の富士の高嶺」と山部宿禰赤人が詠った。

今私は三保の松原の海辺に立つ。

青い空、白い雲、蒼い海、白い波、そして富士の山、

神々しく高く貴い富士という赤人の言葉を借りる以外に言葉はない。

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万葉歌碑

、(左)富士市前田・田子の浦港(中央)富士市前田新田・富士見公園(右)富士市田子・天満宮境内

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『駿河國風土記』 逸文

富士の山には雪の降り積もりてあるが、六月十五日にその雪の消えて、子の時より後には又降り替はると、

駿河國風土記に見えたりと云へり。

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