伊波比島  祝島

山口県熊毛郡上関町祝島

家人は 帰り早来と 伊波比島 斎ひ待つらむ 旅行く我れを  巻15−3636

草枕 旅行く人を 伊波比島 幾代経るまで 斎ひ来にけむ  巻15−3637

柳井港から約1時間、前方に祝島が見えてきた。

祝島の朝

祝島に別れを告げる。遣新羅使人はさらに西に、私は東に航路をとる。

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万葉歌は、

妻や子どもたちは、早く帰って来てと、祝島の名のように、身を斎(いわ)い慎んで、旅行く私を待ってくれているだろうなあ。

旅行く人たちの無事を祈って斎い守るという祝島、ずうっと長い年月、斎いつづけてくれているのだろうなあ。

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天平八年六月、難波の港を出発した遣新羅使人たちはようやくにこの祝島まで来た。まだまだ新羅は遠い。

だけど、気持はすでにホームシック、家で待つ妻や子どものことばかりが気がかり。

なんで歓迎もしてくれそうにない新羅に・・・。

祝島を過ぎると周防灘を一気に九州に向う。そやけど今はもう台風のシーズンやんか。海は恐いなあ・・・。

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万葉歌碑(巻15−3636・3637の二首が刻まれる)

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以前、山口県の万葉歌碑を訪ねて旅をしたが、この祝島だけは船に乗り遅れて訪ねることができなかった。

どうしても島で一泊しなければならないから、次ぎの予定が変更できず、くやしい思いで上関の港をあとにした。

ようやく春三月、青春18きっぷののんびり気まま旅で、この祝島を訪ねた。

旅行記は別に記すが、なんしか人情いっぱいの島の人たち、とてもすばらしい旅ができた。

たった一泊二日のとんぼ返りの旅だったけれど、思い出がいっぱいだ。

「祝島旅行記」

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