ひかげ

あしひきの 山下ひかげ かづらける 上にやさらに 梅をしのはむ  巻19−4278

ヒカゲノカズラ

ヒカゲノカズラ科の常緑シダ植物。

茎は細長く地に匐い、2〜3bに達し、二又分枝。

葉は線状で細かく、茎に密生。

夏、細茎を分枝し、頂に数個の子嚢穂をつける。

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新嘗祭、大嘗祭などの神事に、

物忌みのしるしとして冠の笄の左右に結んで垂れた組紐をヒカゲノカズラというが、

もとはこの植物を用いたことによる。

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『万葉集』に詠まれた「ひかげ」は四首
 
斎串立て 御瓶据ゑ奉る 祝部が うずの玉かげ 見ればともしも  巻13−3229

あしひきの 山かづらかげ ましばにも 得がたきかげを 置きや枯らさむ  巻14−3573

見まく欲り 思ひしなへに かづらかげ かぐはし君を 相見つるかも  巻18−4120

あしひきの 山下ひかげ かづらける 上にやさらに 梅をしのはむ  巻19−4278

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