ひ(檜)

石走る 近江の国の 衣手の 田上山の 真木さく 檜のつまでを もののふの 八十宇治川に 玉藻なす 浮かべ流せれ・・  巻1−50

ヒノキ

ヒノキ科ヒノキ属常緑高木。

古くから日本人の生活と結びつきが深く、スギとともに建築材として最も広く利用されている。

高さは普通20〜30b、大きいものは高さ50b、直径2.5bのもなる。

花は4月に開く。

雌雄同株。球果はその年の秋に成熟する。(写真)

このヒノキの写真は、

巻1−50で詠まれる田上山近くで撮ったもの。

藤原宮造営に使われたヒノキの子孫かもしれない。

・・・・・

『万葉集』に詠まれた「ひ」は十首

・・・ 石走る 近江の国の 衣手の 田上山の 真木さく 檜のつまでを ・・・  巻1−50

鳴る神の 音のみ聞きし 巻向の 檜原の山を 今日見つるかも  巻7−1092

みもろつく 三輪山見れば こもりくの 泊瀬の檜原 思ほゆるかも  巻7−1095

いにしへに ありけむ人も 我がごとか 三輪の檜原に かざし折りけむ  巻7−1118

行く川の 過ぎにし人の 手折らねば うらぶれ立てり 三輪の檜原は  巻7−1119

・・・ 下檜山 下行く水の 上に出でず 我が思ふ心 安きそらかも  巻9−1792

巻向の 檜原に立てる 春霞 おほにし思はば なづみ来めやも  巻10−1813

巻向の 檜原もいまだ 雲居ねば 小松が末ゆ 沫雪流る  巻10−2314

斧取りて 丹生の檜山の 木伐り来て 筏に作り 真楫貫き ・・・  巻13−3232

さし鍋に 湯沸かせ子ども 櫟津の 檜橋より来む 狐に浴むさむ  巻16−3824

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