かほばな

高円の 野辺のかほ花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも  巻8−1630

ヒルガオ

ヒルガオ科ヒルガオ属

夏の日盛りに花をさかせるところから、朝顔に対し昼顔の名がある。

野原に見られるつる性の多年草。つるは左巻きで、まわりのものにからみつく。

花は葉のわきからでた柄の先に1個つき、アサガオ形で約5a。

果実はめったに実らず、もっぱら地下茎でふえる。

若葉はゆでて食用にするほか、全草を煎じて利尿薬に用いる。

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石川県志雄町から羽咋市にかけての海岸線「渚ドライブウェイ」は砂浜を車で走れる。

その砂浜の砂丘側に延々と続くハマヒルガオの群が咲いていた。

野原のヒルガオは他の植物などにからみつき、厚かましい奴だと思うが、

ハマヒルガオが砂地に自らが緑と淡桃色の絨毯をひくように生える。

美しい。この地は大伴家持も訪ねている。

「志雄路から直越え来れば羽咋の海」(巻17-4025

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『万葉集』に詠まれた「かほばな」は四首
高円の 野辺のかほ花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも  巻8−1630

石橋の 間々に生ひたる かほ花の 花にしありけり ありつつ見れば  巻10−2288

うちひさつ 美夜能瀬川の かほ花の 恋ひてか寝らむ 昨夜も今夜も  巻14−3505

美夜自呂の すかへに立てる かほが花 な咲き出でそね こめてしのはむ  巻14−3575

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