くり

瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものぞ まなかひに もとなかかりて 安寐し寝さぬ  巻5−802

クリ

ブナ科クリ属。

花は6〜7月に咲く。堅果は長い刺のある殻斗に包まれる

・・・・・・・

子どもの頃の栗拾いを思い出す。

裏山の栗の木の下に落ちているイガ栗、棒と足でイガを外し中から大きな栗の実を取り出す。

ポケットいっぱいにして家路についた。

あの頃は家庭に火鉢があり、栗の硬い皮にナイフで傷を付け、灰の中に放り込む。

はじけるような音がして、ホクホクの栗が焼けていた。

おやつも自分で調達していたのだ。おいしかった。

『万葉集』に詠まれた「くり」は三首

瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものぞ ・・・  巻5−802

三栗の 那賀に向へる 曝井の 絶えず通はむ そこに妻もが  巻9−1745

松反り しひてあれやは 三栗の 中上り来ぬ 麻呂といふ奴  巻9−1783

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