さきくさ

春されば まづさきくさの 幸くあらば 後にも逢はむ な恋ひそ我妹  巻10−1895

ミツマタ

ジンチョウゲ科ミツマタ属

樹皮の繊維は製紙の原料になる。

3〜4月、葉に先立って球形の頭状花序をつける。

萼は筒形で先は4裂し、内側は黄色。外側には白い毛が密生する。

・・・・・・・

小学校時代、お父さんが大蔵省印刷局に勤めておられる友人がいた。

お父さんがお金を造っていると自慢げだった。

そのお父さんから、ミツマタの木を見せていただき、これが百円札・千円札になると教わったが、さっぱり解らなかった。

今も解っていない。

「さきくさ」はミツマタとする説が有力であるが、

イカリソウ、ツリガネニンジン、ジンチョウゲなどとする説もある。

万葉歌で、柿本人麻呂が「先三枝」と詠んでいるし、

山上億良は「父母の三枝の中に寝る」と川の字で子どもと寝ることを詠っている。

やっぱりミツマタでしょう。

イカリソウ

ツリガネニンジン

ジンチョウゲ

・・・

『万葉集』に詠まれた「さきくさ」は二首

・・・ いざ寝よと 手をたづさはり 父母も うへはなさかり  さきくさの 中にを寝むと 愛しく ・・・  巻5−904

春されば まづさきくさの 幸くあらば 後にも逢はむ な恋ひそ我妹  巻10−1895

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