なつめ

玉箒 刈り来鎌麻呂 むろの木と 棗が本と かき掃かむため  巻16−3830

ナツメ

クロウメモドキ科ナツメ属

6月頃、葉腋に黄色の小さな花を数個開く。

果実は長さ2〜3aの楕円形で黄褐色に熟し、食用になる。

和名は「夏芽」のことで、初夏になって芽をだすことによる。

・・・・・・・

秋、岐阜県高山市から丹生川・上宝・国府・古川の奥飛騨道を走った。

国府町の阿太由太神社を訪ねたとき、

町のいたるところ、各家の庭先にはナツメの実がたわわにになっていた。

一軒の玄関口でこの実の写真を撮っていたら、

不思議そうにおじさんが私を見て、「なにかめずらしい物でもありますか」と声をかけてきた。

「いや、ナツメの写真を・・・」

変な奴だなと思われたでしょうね。

どこの家にもあるナツメを撮っているのだから。

でも、ここしか見られないのですよ、こんな風景は。

・・・・・

『万葉集』に詠まれた「なつめ」は二首

玉箒 刈り来鎌麻呂 むろの木と 棗が本と かき掃かむため  巻16−3830

梨棗 黍に粟つぎ 延ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く  巻16−3834

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