むろ

鞆の浦の 磯のむろの木 見むごとに 相見し妹は 忘れえめやも  巻3−447

ネズミサシ

ヒノキ科ビャクシン属

日当たりのよい丘陵や花崗岩地などに生え、

高さは20b、直径1bになる。

葉は長さ1.2〜2.5aの針状で先は尖り、さわると痛い。

4月頃開花する。雌雄異株。

ネズミサシの名は、ネズミの出没する穴にこの針状の葉を置いたことに由来する。

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『万葉集』に詠まれた「むろのき」は七首
 
我妹子が 見し鞆の浦の むろの木は 常世にあれど 見し人ぞなき  巻3−446

鞆の浦の 磯のむろの木 見むごとに 相見し妹は 忘れえめやも  巻3−447

磯の上に 根延ふむろの木 見し人を いづらと問はば 語り告げむか  巻3−448

磯の上に 立てるむろの木 ねもころに 何しか深め 思ひそめけむ  巻11−2488

離れ磯に 立てるむろの木 うたがたも 久しき時を 過ぎにけるかも  巻15−3600

しましくも ひとりありうる ものにあれや 島のむろの木 離れてあるらむ  巻15−3601

玉箒 刈り来鎌麻呂 むろの木と 棗が本と かき掃かむため  巻16−3830

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