さなかづら
木綿包み 白月山の さな葛 後もかならず 逢はむとぞ思ふ 巻12−3073
サネカズラ
モクレン科サネカズラ属別名ビナンカズラ。
山野に生える。枝には粘液が多い。葉の裏面は紫色のことが多い。
8月頃、直径約1.5aの花が垂れ下がって咲く。花弁と萼片はともに淡黄色で9〜15個。
雌花は花のあと花床が球状にふくらみ、球形の赤い果実をつける。
・・・・・・
サネカズラ、別名をビナンカズラという。
「美男葛」である。
茎を水に浸しておくとねばりのある樹液がとれる。
昔の人はこれを鬢付け油とした。いわゆる整髪料である。
だから美男カズラという。
万葉に詠まれる「さなかづら」は「後にも逢はむ」にかかる枕詞である。
サネカズラの蔓が伸びて別れてもまた後に逢うということらしい。
太宰治の「赤い糸」みたいなものかな。
『晩年』に出てくる赤い糸は、お互いの右足の小指に目に見えない赤い糸が結ばれていていつか一緒になれるというお話。
・・・・・