すみれ

春の野に すみれ摘みにと 来し我れぞ 野をなつかしみ 一夜寝にける  巻8−1424

スミレ

スミレ科スミレ属

和名は、花を横から見ると大工道具の墨入れに似ているからとの説が一般的。

万葉の頃の大工が使った墨入れがこのような形であったかは山部赤人に聞いてみたい。

花は濃い紫色から淡紫色、青味のある紫色、あるいは白色と変化が多い。

葉も長楕円状披針形や三角状、長卵形などなど多様であり、それぞれに名がつく。

花期は3〜5月が多い。

・・・・・・・

スミレは花も葉も生で食べられるという。

だから山部赤人は「すみれ摘み」に来たのだ。

でもなんで一夜寝てしまったのだろう?

「すみれちゃん」って可愛い子がいたんじゃないの?

不謹慎!

万葉で詠まれる「すみれ」はレンゲという説もある。

でも、赤人がまさかレンゲの花輪冠を作るためのすみれ摘みをしたとも思えない・・・・・・。

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『万葉集』に詠まれた「すみれ」は四首

春の野に すみれ摘みにと 来し我れぞ 野をなつかしみ 一夜寝にける  巻8−1424

山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春の雨に 盛りなりけり  巻8−1444

茅花抜く 浅茅が原の つほすみれ 今盛りなり 我が恋ふらくは  巻8−1449

・・・ 春の野に すみれを摘むと 白栲の 袖折り返し 紅の 赤裳裾引き 娘子らは ・・・  巻17−3973

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