つつじ

水伝ふ 磯の浦みの 岩つつじ 茂く咲く道を またも見むかも  巻2−185

ツツジ

ツツジ科ツツジ属の常緑または落葉低木の通称。

山地に多く自生、また観賞用として栽培。

小枝を多く分岐し、枝・葉には細毛がある。

春から夏にかけ、赤・白・紫・橙などの大形の合弁花を単立または散形花序に開く。

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滋賀県永源寺町茨川の山中、大岩を裂くように生えるミツバツツジ、まさに「岩つつじ」だ。

春山に登ると、このミツバツツジの群生に出逢えるのがとても嬉しい。

『万葉集』に詠まれた「つつじ」は九首

水伝ふ 磯の浦みの 岩つつじ 茂く咲く道を またも見むかも   巻2−185

風早の 美保の浦みの 白つつじ 見れども寂し なき人思へば  巻3−434

・・・ つつじ花 にほへる君が にほ鳥の なづさひ来むと 立ちて居て ・・・  巻3−443

・・・ 龍田道の 岡辺の道に 丹つつじの にほはむ時の 桜花 ・・・  巻6−971

山越えて 遠津の浜の 岩つつじ 我が来るまでに ふふみてあり待て  巻7−1188

栲領巾の 鷺坂山の 白つつじ 我れににほはに 妹に示さむ  巻9−1694

をみなへし 佐紀野に生ふる 白つつじ 知らぬこともち 言はれし我が背  巻10−1905

・・・  青山を 振り放け見れば つつじ花 にほえ娘子 ・・・  巻13−3305

・・・ つつじ花 にほえ娘子 桜花 栄え娘子 汝れをぞも ・・・  巻13−3309

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