つきくさ

朝咲き 夕は消ぬる 月草の 消ぬべき恋も 我れはするかも  巻10−2291

ツユクサ

ツユクサ科ツユクサ属一年草。

葉は卵状披針形で、互生する。

2枚の緑色の苞葉にはさまれるようにして青色の花を開く。

花期 6〜9月

・・・・・・・

つゆくさにそっと近付いてみてごらん。

しじみ蝶のように2枚の大きな羽を広げ、

今にも飛び立ちそうに触覚を伸ばしています。

『万葉集』に詠まれた「つきくさ」は九首

月草の うつろひやすく 思へかも 我が思ふ人の 言も告げ来ぬ  巻4−583

月草に 衣ぞ染むる 君がため 斑の衣 摺らむと思ひて  巻7−1255

月草に 衣色どり 摺らめども うつろふ色と 言ふが苦しさ  巻7−1339

月草に 衣は摺らむ 朝露に 濡れての後は うつろひぬとも  巻7−1351

朝露に 咲きすさびたる 月草の 日くたつなへに 消ぬべく思ほゆ  巻10−2281

朝咲き 夕は消ぬる 月草の 消ぬべき恋も 我れはするかも  巻10−2291

月草の 借れる命に ある人を いかに知りてか 後も逢はむと言ふ  巻11−2756

うちひさす 宮にはあれど 月草の うつろふ心 我が思はなくに  巻12−3058

百に千に 人は言ふとも 月草の うつろふ心 我れもためやも  巻12−3059

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