ゆり

道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや  巻7−1257

ヤマユリ

ユリ科ユリ属

日本特産のユリ。

花は大輪で、径15〜20aもあり、強い芳香がある。

白い花の内側には赤い小点がある。

りん茎は黄白色の扁球形で径6〜10aあり、食用。

花期 6〜8月。

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夏、宮城県大衡村の昭和万葉の森を訪れた。

マユリの群がみごとに咲いていた。

感動。

・・・

ゆりはササユリであってもいいわけで、

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遣新羅使人の旅路を追って壱岐を訪ねた。九州西部と四国に咲くというカノコユリに出会った。

遣新羅使人たちもこのカノコユリを見たかもしれない。

『万葉集』に詠まれた「ゆり」は十首
 
道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや  巻7−1257

我妹子が 家の垣内の さ百合花 ゆりと言へるは いなと言ふに似る  巻8−1503

道の辺の 草深百合の 後もと言ふ 妹が命を 我れ知らめやも  巻11−2467

油火の 光に見ゆる 我がかづら さ百合の花の 笑まはしきかも  巻18−4086

燈火の 光に見ゆる さ百合花 ゆりも逢はむと 思ひそめてき  巻18−4087

さ百合花 ゆりも逢はむと 思へこそ 今のまさかも うるはしみすれ  巻18−4088

・・・ 夏の野の さ百合引き植ゑて 咲く花を 出で見るごとに ・・・  巻18−4113

さ百合花 ゆりも逢はむと 下延ふる 心しなくは 今日も経めやも  巻18−4115

・・・ 夏の野の さ百合の花の 花笑みに にふぶに笑みて ・・・  巻18−4116

筑波嶺の さ百合の花の 夜床にも 愛しけ妹ぞ 昼も愛しけ  巻20−4369

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