ずいき祭り  御上神社

滋賀県野洲市

今日は御上神社の秋祭り、快晴の青空に、ご神体の三上山も微笑んでいるようだ。

境内ではのぼりの幡も風に揺れ、準備は整った。楼門も本殿もきれいに飾られ、今日は厚化粧。

お目当てのずいき御輿は、五集落から10時に到着する。

ちょっと時間があるので、近くの集落を訪ねた。

倉庫では最後の仕上げが行なわれていた。礼服姿の役員さんも落ち着かない。

じゃませんとこ。

御輿の通る田んぼのあぜ道で待つことにした。

この田んぼは由緒ある田、悠紀斎田といって、昭和天皇即位の大嘗祭に稲穂を献上した田という。

今もこの田で田植え祭が行なわれ、新米が採れると宮内庁に献上する。天皇一家のお米なのである。

今年はもう刈り入れが終ったようだ。

10時、花火の音が鳴った。五つの集落から御輿が出発だ。

さあカメラを構えて・・・と思った瞬間、ドオーン・ガシャ。私のすぐそばで車どうしがぶつかった。

えらいこっちゃ。祭りに見とれて脇見運転や。まあ、怪我なくてよかった。

・・・・・・・

いよいよ御輿行列がやってくる。

ええやろ、のどかなこの田園風景のあぜ道を静かに静かに御輿は通る。

京都・祇園祭のような派手さはない。錦織の着物も着ない。ペルシャの緞通もない。

手に竹棹を持って裃姿の若者が先導し、羽織袴・礼服の役員さんが御輿を見守る。

昔は御輿を担いだものだ、と近くのおっちゃんはいう。今は台車に載せて。

なんと100`はあるらしい。御輿ぜんぶ、ずいきでつくられている。水分をいっぱい含んだ新鮮なずいきだ。

ひとつの集落で400本の芋ずいきを用意するという。祭礼用の芋畑があるそうだ。

一昨日、刈り入れをして、昨日、一日がかりで御輿を作った。

・・・・・

境内に到着

ここからは、人が担ぐ。台車では神さんに失礼や。重いでえ。しっかり担いでや。

別の集落からも御輿が着いた。女の子の裃姿もええな。

重いでえ、おっちゃん大丈夫か。

御輿には木彫りの猿が乗っている。猿田彦かな。栗も並べられている。ずいきの切り口も鮮やかだ。

この御輿、いっさい金具は使っていない。ずいきがこのように蔓でしばられている。

紋もこれなんやろ。黒ゴマかな、粟かな。

主役はやっぱり子どもたち。しっかり役目をこなしている。

御輿は楼門をくぐり、拝殿に5基が並んだ。

雅楽の演奏とともに、祭礼が始まった。

笛、ひちりき、笙の合奏だ。神さまは音楽が大好きだから・・・。楽譜は縦書きのひらがなと数字、古文書みたい。

なが〜い祝詞と雅楽の演奏で、

まちくたびれてしもうた。早よ、おわらんかな。

・・・・・

おっちゃんもつかれたわ。そろそろ帰るわ。

このずいき御輿、明日のお昼ごろまで拝殿で飾られている。そして今夜7時からも神事があるそうだけど、今日はもう帰るわ。

帰りに、名物「たで寿し」買ってかえるわ。赤飯もだんごも。

「たで寿し」・・・蓼の葉を乾燥して粉にし、じゃこ酢飯にまぶしたもの

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