五月雨に鳰の浮巣を見にゆかん

滋賀県甲賀市土山町南土山 常明寺

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常明寺

 

常明寺と森鴎外

鴎外の祖父白仙は、津和野藩藩主の参勤交代に従って江戸へ出たが、帰国の際に発病し、送れて国もとへ向かう途中、ここ土山で病死した。

万延元年(1860)十一月七日であった。遺骸はこの常明寺の墓地に葬られた。

鴎外は祖父への思慕深く、小倉在住時代、明治三十三年軍医部長会出席のため上京の途中、土山に立ち寄り、常明寺を訪れた。

荒れ果てた墓を探し当てた鴎外は、住職に願い出て、墓を境内に修した。

明治三十九年に祖母きよが、大正五年には母ミネが没、遺言により常明寺に葬られた。

鴎外は祖父母と母の遺跡に心を尽くし、「維時大正七年三月新添 施主東京森林太郎」と墨書された錦の段通を寄贈している。

昭和二十八年、三人の墓は津和野の永明寺に移された。

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近江の芭蕉 句碑を訪ねる 甲賀市土山町 常明寺

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万葉集を携えて

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