戸を開けば西に山あり、伊吹といふ。

花にもよらず、雪にもよらず、ただこれ孤山の徳あり。

そのままよ月もたのまじ伊吹山

句碑は、米原市朝日にある観音寺の総門入ってすぐの右側に立つ。

これが総門

総門前から見る伊吹山

ところで、この観音寺にはこんな逸話が残る。

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長浜城主だった頃の豊臣秀吉が鷹狩りの帰り、ある寺に立ち寄って茶を所望した。

対応に出た小姓は、まず最初に大ぶりの茶碗にぬるめの茶をいっぱいに入れて出した。

のどの渇いていた秀吉は、それを一気に飲み干したあと、もう一杯をたのんだ。

次に小姓は、やや小さめの碗にやや熱めにした茶を出した。秀吉が試みにもう一杯所望したところ、

今度は小ぶりの碗に熱く点てた茶を出した。

相手の様子を見て、その欲するものを出す、この心働きに感じいった秀吉は、その小姓を城に連れて帰り、家来にした。

(『武将感状記』  「三献の茶」)

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この小姓が石田三成であり、その寺がここ観音寺であるという。

観音寺境内には、「石田三成・水汲みの井戸」がある。この水で沸かした茶を秀吉は三杯飲んだ。

水汲みの井戸

 

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近江の芭蕉 句碑を訪ねる 米原 朝日 観音寺

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