四方より花吹き入れて鳰の湖

摩耗して読みづらいが、

四方予里花婦支以連天鳰農湖 と万葉仮名風に刻されているらしい。

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長浜市西浅井町塩津浜の塩津神社近くの大平山展望広場にある。

この句碑、いろんな句碑案内に、「塩津神社裏山にあり」と表現されている。が、・・・

 

塩津神社にお参りをして、本殿に向かって右手に「旧愛岩山登り口」の標識があり、

ご丁寧に、側面には芭蕉のこの句が記されている。

しかし、そこから先に道はない。荒廃した山肌でとても登り口とはいえない。

それでも、薄暗い道なき道を登ってみると、10mほど先にいのししが闊歩していて、怖くて唖然、あきれてしまった。

塩津神社の裏という表現は取り下げなあかん。それでも行こうとすると、

神社の鳥居前から国道を木之本方向に200mほど行くと、民家がとぎれたところが次の左写真。

そこを山に向かってまっすぐ30mほどに右写真の登り口がある。

この道は上方に送電線の鉄塔が2基あって、その修繕保全の道と思われる。

 

かなりきつい坂道で、年寄りは息が切れる。1番目の鉄塔辺りからは視界が開け、

鳰の湖というか塩津湾がきれいだ。もうこの辺で十分満足なのに、句碑はまだまだ上。

ようやくに2基目の鉄塔が見えてきて、ちょっとした平地があるが、そこが「大平山展望広場」という。

展望広場といっても、単なる荒れ平地で、ベンチひとつあるわけではない。

 

ススキの原にぽつりと句碑が立つ。文字も摩耗してほとんど読めない。

ただの石ころが野原にころげているだけ。

でも、さすがに展望はよく、

四方から尾花吹き入れて鳰の湖が見える。

どんなに高いところにあるか、分かってもらえると思う。疲れた。

ちゃんとした靴を履いていたけど、お茶くらいは持ってくるべきと反省した。(2011・11・12のこと)

 

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近江の芭蕉 句碑を訪ねる 長浜市 西浅井 塩津神社

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万葉集を携えて

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