明智が妻の話

将軍明智が貧のむかし、連歌会いとなみかねて侘びはべれば、その妻ひそかに

髪を切りて、会の料に供ふ。明智いみじくあはれがりて、「いで君、五十日のうち

に輿にものせん」と言ひて、やがて言ひけむやうになりぬとぞ。          .

.                                           ばせを

月さびよ明智が妻の話せむ

.                          又玄子妻に参らす。

大津市坂本 西教寺境内

・・・

『俳諧勧進牒』には、

伊勢の国又玄が宅へとどめられ侍る頃、その妻、男の心にひとしく、もの毎にまめやかに

見えければ、旅の心を安くし侍りぬ。かの日向守の妻、髪を切りて席を設けられし心ばせ、

今さら申し出でて                                           .

月さびよ明智が妻の咄せむ

・・・・・・・

近江の芭蕉 句碑を訪ねる 西教寺

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万葉集を携えて

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