幻住庵
幻住庵 大津市国分2丁目
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『幻住庵記』
この幻住庵での生活のようすや、今まで歩いてきた芭蕉の俳人としての人生観などが記されている。
芭蕉47才の時に記したものだが、その庵記そのままに、旧地に庵が建てられている。
茅葺の苔むした趣のある庵、実は平成三年に再建されたもの。例の「ふるさと創生事業1億円」で出来たもの。
敷地内に、『幻住庵記』の碑がある。
全文は長いので、別頁で紹介しよう。 『幻住庵記』
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庵を守っておられるのはご近所のお年寄りたち、ある日担当の老翁は、
庵記の結びの句、「まづたのむ椎の木もあり夏木立」の通り、今も周りは椎の木でおおわれているが、
句に詠まれた椎の木だから、とても大事大事にあつかわれた結果、椎の木ばかりが大きく育って周りの木が弱ってしまい、
緑の少ない間のびした空間になってしまったと嘆いておられた。その後、思い切って椎の木は間伐されたと聞く。
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また、敷内には「とくとくの清水」なるものがある。庵記には、
「たまたま心まめなる時は、谷の清水を汲みてみづから炊ぐ。とくとくの雫を侘びて、一炉の備へいとかろし」
芭蕉はここで西行を偲びながら、米を洗ったという。
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近江の芭蕉 句碑を訪ねる 幻住庵