滋賀県大津市葛川坊村町 明王院は、今から千百年前、相応和尚(そうおうかしょう)が開いた寺院で、天台宗、本尊は千手観音である。 隣接する地主神社から安曇川の支流の川を渡ると明王院。 この石標の右が地主神社ということ。 比良山系から明王谷を流れ下るこの川、紅葉に映えて美しい。 左政所の山門、右本堂への石段も黄葉で美しい。 もう少し進むと紅葉に。 護摩堂 本堂 本堂横の石塔 ・・・・・ 明王院境内からは比良山への登山道があって、次は以前に仲間と登ったときの写真であるが、途中、最初の休憩地が、 三之滝 である。 明王院開祖相応和尚が、 大願をもとに、この比良山中をさまよい歩いていたとき、葛川谷の地主神が現れ、 三之滝で不動明王に逢うことができるというお告げを受けた。 一切の穀類を断ち、草と木の実で命をつないでの苦行修練の満願の日、相応は滝つぼに、生身の不動明王を見た。 相応はとっさに、滝つぼの不動明王に飛びつき、 歓喜して石の上に安置してみると、それは桂の古木であった。 この霊木に刻んだ不動明王は、今明王院本堂の三仏(毘沙門天・千手観音・不動明王)のひとつとなっている。 この不動明王は秘仏、拝顔はできない。 ・・・ このような逸話から、 相応和尚は、比叡山回峰行の創始者とされるのである。 ・・・・・ 「和尚」、禅宗や浄土宗などでは「おしょう」、法相宗や真言宗では「わじょう」、そして華厳宗や天台宗では「かしょう」、 だから相応和尚は、「そうおうかしょう」と読み、呼ぶ。 ・・・・・・・ |