小関越 道標

大津市三井寺町

三井寺から疎水を過ぎ、長等神社の楼門の前を通り、小関天満宮の鳥居の見える交差点に、石造の道標が立つ。

ここから右に折れ、峠道を上る。それが古道小関越である。

が、私の自転車ではよう越えられそうにないから、ここから小関越を拝むようにながめていた。

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説明板には、

北国街道(西近江路)から分れて藤尾で東海道に合流する約5kmの道は、かつて東海道の間道として利用され、小関越と呼ばれていた。

この道標が立つのは、小関越から園城寺(三井寺)へ向かう道の分岐点にあたる。

江戸時代中頃の建立で、三面には、「左 三井寺 是より半丁」「右 小関越 三条五条いまくま 京道」「右 三井寺」と刻まれている。

三井寺は西国三十三所観音巡礼の第十四番札所として多くの参詣者があり、また刻銘の「いまくま」は第十五番札所の京都今熊野観音寺

のことで、この道が巡礼道であったことを示す資料にもなっている。

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すぐ近くの小関天満宮の境内には、松尾芭蕉の句碑がある。

山路来て何やらゆかし(すみれ)(ぐさ)  はせを

この句は『野ざらし紀行』にみえ、「大津に至る道、山路をこえて」との前書がある。

貞享二年の三月頃、山路を越えて大津に入ったという。この山路が小関越であろうといわれている。

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大津 小関越 道標

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