「会津八一の南京」 歌碑を訪ねて

法輪寺

奈良博物館にて

くわんおん の しろき ひたひ に やうらく の

かげ うごかして かぜ わたる みゆ

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奈良博物館

この地方に旅行する人々は、たとへ美術の専攻者にあらずとも、毎日必ずこの博物館にて、少くも一時間を送らるることを望む。

上代に於ける祖国美術の理想を、かばかり鮮明に、また豊富に、我らのために提示する所は、再び他に見出しがたかるべければなり。

やうらく 瓔珞

本来は、珠玉など七宝を綴り合せて造れる頸飾をいふ語なれども、ここにては、宝冠より垂下せる幾条かの紐形の装飾をいへるなり。

されどこの歌は、法輪寺講堂の本尊十一面観音を詠みたるものなるに、歌集刊行の際、草稿の整理を誤りて、ここに出せるなり。

法輪寺・十一面観音

法輪寺

法隆寺東院の北約二キロ、冨郷村三井にあり。岡本の法起寺のものに似たる古式の三重塔ありて、往時はともに法隆寺村より

望見し得たりしも、昭和十九年(1944)雷火にて焼失せり。寺中に上代仏像の見るべきもの数?あり。されど金堂の本尊なる薬師像と、

観音像との光背の支柱が、ともに中宮寺の半跏像、または法隆寺の百済観音と同式の、蘆茎の形式なるは、明治時代の修繕に当り、

その工人が、これ等の二例に鑑みて模造して補加したるものなることを記憶すべきなり。

                                                                     『南京新唱』より

金堂

五重塔 1975年再建

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奈良県生駒郡斑鳩町三井

「会津八一の南京」

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「万葉集を携えて」

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