正道官衙遺跡公園 城陽市寺田正道

ねぶ(ねむ)

昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木の花

 君のみ見めや 戯奴さへに見よ

巻8−1461

やなぎ

浅緑 染め懸けたりと 見るまでに

 春の柳は 萌えにけるかも

巻10−1847

つげ

君なくは なぞ身装はむ 櫛笥なる

 黄楊の小櫛も 取らむとも思はず

巻9−1777

つばき

巨勢山の つらつら椿 つらつらに

 見つつ偲はな 巨勢の春野を

巻1−54

やまたちばな(やぶこうじ)

この雪の 消残る時に いざ行かな

 山橘の 実の照るも見む

巻19−4226

しらかし

あしひきの 山道も知らず 白橿の

 枝もとををに 雪の降れれば

巻10−2315

うめ

馬並めて 多賀の山辺を 白栲に

 にほはしたるは 梅の花かも

巻1−1859

つつじ

栲領巾の 鷺坂山の 白つつじ

 我れににほはに 妹に示さむ

巻9−1694

やまざくら

春雨は いたくな降りそ 桜花

 いまだ見なくに 散らまく惜しも

巻10−1870

しひ(しい)

家なれば 笥に盛る飯を 草枕

 旅にしあれば 椎の葉に盛る

巻2−142

え(えのき)

我が門の 榎の実もり食む 百千鳥

 千鳥は来れど 君ぞ来まさぬ

巻16−3872

こなら

下つ毛野 三毳の山の こ楢のす

 まぐはし子ろは 誰が笥か持たむ

巻14−3424

つるはみ(くぬぎ)

橡の 袷の衣 裏にせば

 我れ強ひめやも 君が来まさむ

巻12−2965

にれ

おしてるや 難波の小江に 廬作り・・・

 この片山の もむ楡を・・・

巻16−3886の一部

はぎ

高円の 野辺の秋萩 いたづらに

 咲きか散るたむ 見る人なしに

巻2−231

うのはな(うつぎ)

ほととぎす 来鳴き響もす 卯の花の

 伴にや来しと 問はましものを

巻8−1472

からたち

からたちと 茨刈り除け 倉建てむ

 屎遠くまれ 櫛造る刀自

巻16−3832

やまぶき

花咲きて 実はならねども 長き日に

 思ほゆるかも 山吹の花

巻10−1860

まゆみ

み薦刈る 信濃の真弓 我が引かば

 貴人さびて いなと言はむかも

巻2−96

かつら

向つ峰の 若桂の木 下枝取り

 花待つい間に 嘆きつるかも

巻7−1359

つき(けやき)

早来ても 見てましものを 山背の

 多賀の槻群 散りにけるかも

巻3−277

ふぢ(ふじ)

恋しけば 形見にせむと 我がやどに

 植ゑし藤波 今咲きにけり

巻8−1471

かはやなぎ(ねこやなぎ)

山の際に 雪は降りつつ しかすがに

 この川楊は 萌えにけるかも

巻10−1848

あしび(あせび)

磯の上に 生ふる馬酔木を 手折らめど

 見すべき君が 在りと言はなくに

巻2−166

なし

黄葉の にほひは繁し しかれども

 妻梨の木を 手折りかざさむ

巻10−2188

なつめ

玉箒 刈り来鎌麻呂 むろの木と

 棗が本と かき掃かむため

巻16−3830

ゆづるは(ゆずりは)

いにしへに 恋ふる鳥かも 弓弦葉の

 御井の上より 鳴き渡り行く

巻2−111

もも

春の園 紅にほふ 桃の花

 下照る道に 出で立つ娘子

巻19−4139

たちばな

橘の 蔭踏む道の 八衢に

 物をぞ思ふ 妹に逢はずして

巻2−125

まつ

岩代の 浜松が枝を 引き結び

 ま幸くあらば また帰り見む

巻2−141

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万葉歌碑

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