香春 鏡山 福岡県田川郡香春町鏡山 鞍作村主益人、豊前の国より京に上る時に作る歌 梓弓 引き豊国の 鏡山 見ず久ならば 恋しけむかも 巻3−311 鏡山 香春町の山間の平野に、ぽつんとお椀を伏したように鏡山はある。 この辺り、万葉集に詠われるが、神功皇后伝説もあり、山頂には鏡山神社もある。 のどかな田園風景だが、遠い遠い昔の歴史を秘める。 ・・・・・ 抜気大首、筑紫に任けらゆる時に、豊前の国の娘子紐児を娶りて作る歌三首 豊国の 香春は我家 紐児に いつがり居れば 香春は我家 巻9−1767 石上 布留の早稲田の 穂には出でず 心のうちに 恋ふるこのころ 巻9−1768 かくのみし 恋ひしわたれば たまきはる 命も我れは 惜しけくもなし 巻9−1769 田河道 香春は古代、大宰府と周防灘岸とを結ぶ官道「田河道」の一駅であった。 旅人や億良も、この辺りを通ったのだろうか。 ・・・・・ 河内王を豊前の国の鏡の山に葬る時に、手持女王が作る歌三首 大君の 和魂あへや 豊国の 鏡の山を 宮と定むる 巻3−417 豊国の 鏡の山の 岩戸立て 隠りにけらし 待てど来まさず 巻3−418 岩戸破る 手力もがも 手弱き 女にしあれば すべの知らなく 巻3−419 鏡山の麓に「河内王」陵墓がある。 「豊前の国の鏡の山に葬る」と万葉歌に詠われる陵墓である。眠れ、安らかに。 ・・・・・ 香春町の万葉歌碑
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