飽等の浜

和歌山市加太田倉崎

紀伊の国の 飽等の浜の 忘れ貝 我れは忘れじ 年は経ぬとも  巻11−2795

「雛流し神事」で有名な加太・淡島神社の脇を通り過ぎ、岬の先端田倉崎の海岸に着いた。

ここが、「飽等の浜」と云われる。

「忘れ貝」を拾おうとして波打ち際まで降りてみたが、ゴツゴツした石ころが多く貝はあきらめた。

忘れなければならないほどの片恋も遠い昔の話。

沖合いに横長く浮ぶ島は友ヶ島。万葉集には「妹が島」(巻7−1199)と呼ばれている。

万葉歌碑は岬の先端にある。
忘れ貝・・・二枚貝の放れ放れの一片。他の一片を忘れるという意の名称といい、またこれを拾うと恋を忘れるという。(広辞苑)

淡島神社  和歌山市加太

延喜式には「加太神社」と称する古い神社である。全国の淡島・粟島神社の根本社。

朱塗りの綺麗な拝殿には、所狭しと人形が並ぶ。床下もご覧の通り。

3月3日の雛祭り、この神社では毎年「雛流し神事」が行われる。

全国から納められた古い人形を白木の小舟に乗せて早春の海に流す儀式がある。

「人形が私たちの穢れや災いを負い、身代わりになるのです」とは宮司さんのお話。

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