をみなへし

手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも  巻10−2115

オミナエシ

オミナエシ科オミナエシ属

日当たりのよい草原などに生える多年草で高さ1b内外になる。

葉は対生し、羽状に深裂する。

茎は上部で枝分れし、黄色の小さな花を散房状につける。

『万葉集』に詠まれた「をみなへし」は十四首
 
をみなへし 佐紀沢に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも  巻4−675

をみなへし 佐紀沢の辺の 真葛原 いつかも繰りて 我が衣に着む  巻7−1346

をみなへし 秋萩交る 蘆城の野 今日を始めて 万代に見む  巻8−1530

をみなへし 秋萩折れれ 玉桙の 道行きづとと 乞はむ子がため  巻8−1534

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花  巻8−1538

をみなへし 佐紀野に生ふる 白つつじ 知らぬこともち 言はれし我が背  巻10−1905

ことさらに 衣は摺らじ をみなへし 佐紀野の萩に にほひて居らむ  巻10−2107

手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも  巻10−2115

我が里に 今咲く花の をみなへし 堪へぬ心に なほ恋ひにけり  巻10−2279

秋の田の 穂向き見がてり 我が背子が ふさ手折り来る をみなへしかも  巻17−3943

をみなへし 咲きたる野辺を 行き廻り 君を思ひ出 た廻り来ぬ  巻17−3944

ひぐらしの 鳴きぬる時は をみなへし 咲きたる野辺を 行きつつ見べし  巻17−3951

をみなへし 秋萩しのぎ さを鹿の 露別け鳴かむ 高円の野ぞ  巻20−4297

高円の 宮の裾みの 野づかさに 今咲けるらむ をみなへしはも  巻20−4316

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