よもぎ

・・・ ほととぎす 来鳴き五月の あやめぐさ 蓬かづらき 酒みづき ・・・  巻18−4116

ヨモギ

キク科ヨモギ属

野原や川原などどこにでも見られる野草で、地下茎を伸ばしてふえる。花期は9〜10月。

町の草刈りでは、じゃまものの雑草。

だけど大切な野草で、若葉は「よもぎ餅」になるし、葉の裏の綿毛からお灸のもぐさをつくる。

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よもぎ餅

子どもの頃、5月のお祭りには、祖母と母がよもぎ餅を作ってくれた。

私たち子どもは、よもぎ摘みが役目だった。近くの川原でよもぎの柔らかい若芽を摘んだ。

袋にいっぱいのよもぎを摘んだ。

それをゆでて、細かく刻んで、さらにすり鉢ですりつぶす。

このすりつぶす役も私だった。すりこぎ棒でぐるぐる、けっこう疲れる。

それでも、よもぎのいい香りが漂い、はやくよもぎ餅が食べたいとがんばった。

以来、私はよもぎ餅が大好物、いまでも和菓子屋の前を通ると、思わず買ってしまう。

5才の孫がそんなじ〜じの好きを引継いでくれて、よもぎ餅ファンになってくれた。

少々味にはうるさく、あの店はまずい、これは一番うまい、など評価するまでになった。

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百人一首に、

かくとだに えやはいふきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを  藤原実方朝臣

近江国・伊吹山のもぐさを詠ったもの。

伊吹山は私の故郷の山、

お正月のかるた会、この歌の札はだれにも取らせなかった。

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『万葉集』に詠まれた「よもぎ」は上記の長歌一首のみ。

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