神日本磐余彦尊 神武天皇
久米歌（来目歌）
奈良県宇陀市・桜井市
忍坂の大室に到り
宇陀で兄宇迦斯を殺し、いよいよ大和制圧も最終段階。
『古事記』は、戦況にも余裕が出てきたのだろうか、以降の戦は歌謡（久米歌）で勝ち戦を歌う。
忍坂で土雲八十建をやっつけた。
登美比古をやっつけた。兄師木、弟師木をやっつけた。
歌をうたいながら、どんどん敵をやっつける。兄五瀬命のかたき、登美比古を討つときは、
粟畑にくさいニラが一本生えている。そいつを根ごと引き抜いてしまおう。
と、歌う。また、
山椒の実は辛くて、口がピリピリする。そんな痛手を忘れていない。さあ、やっつけよう。
めちゃ、余裕やな。
兄師木、弟師木を撃ったときは、ちょっと疲れてこんな歌をうたった。
楯並めて 伊那佐の山の 樹の間よも い行きまもらひ 戦へば 吾はや飢ぬ 島つ鳥 鵜養が伴 今助けに来ね
宇陀市榛原区に伊那佐山がある。近くにこの歌謡の歌碑がある。（ただし、歌碑は『日本書紀』歌謡）
伊那佐山は６３７㍍、山頂へはハイキングコースになっている。頂上に、都賀那岐神社がある。
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『日本書紀』では、もう少し内容も詳しく、
歌謡だけではなく、国見をしたり、天平瓮を作って祭祀をしたり、天下統一のための儀礼にも言及している。
「菟田の高倉山」に登って国見をした。
宇陀市大宇陀区上守道の高角神社境内に、「菟田高倉山顕彰碑」が立つ。
高角神社は祭神が高倉下命。
「菟田川の朝原で天神地祇を祭りたまふ」とある。
朝原は、宇陀市榛原区雨師朝原に鎮座する丹生神社の境内とされる。
「女坂には女軍を置き、男坂には男軍を置く。墨坂に?炭を置けり」
とある墨坂伝称地がある。宇陀市榛原区萩原。
近くに、墨坂神社がある。この由緒ある神社が式外なのはどうしてだろう。
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奈良県御所市柏原に、神武天皇社がある。
社伝に、この地が、神武天皇の即位した所と伝わる。
『大和誌』は、「橿原神宮、柏原村にあり」と記し、
本居宣長は、明和九年（１７７２）の『菅笠日記』に、畝傍山の近くに橿原という地名はなく、一里あまり西南にあることを里人から聞いたと記している。
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『日本書紀』には、「夫の畝傍山の東南の橿原の地は、蓋し国の墺区か。治るべし」とのたまふ。
とあり、畝傍山の東南と西南、ややこしいなあ、難しいなあ。２６００年も前の話だけに。
また、
『日本書紀』に、三十有一年の夏四月の乙酉の朔に、皇輿巡り幸す。因りて腋上の?間丘に登りまして、国の状を廻らし望みて、
とあり、この集落の北西にある本馬山が、「?間丘ほほまのをか」という。本馬が?間の転という。
しかも、現在もこの地を掖上という、とある。
この掖上はちょっと眉唾もの。現在の掖上は明治時代になってからの命名らしい。
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『古事記』